Best Friends
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***小石川side
「ゆでさん結構幸せそうやで…」
「せやな…!」
ハラテツ先輩に褒められて頬を緩めるゆでさんを、これまた影からこそこそと見ている俺たち。
石田は真面目に素振り中や。
『へへ〜』
なんや、でれでれやんゆでさん。
ゆでさんは褒められると照れるタイプみたいやな。
「なんかゆでさんが可愛く見えてきたわ」
「俺もちょっとだけ…!」
「ちょっとかよ」
「何言うてまんのん、たまごちゃんは最初から可愛ぇや〜ん!」
雄どもの言葉を聞いて、俺もゆでさんを見つめる。
「(いつも通りな気ぃするけど…)」
「とりあえずあんなけ嬉しそうやし、転部なんて考えられへんやろね♪」
「たしかに!心配せんでもよかったなぁ」
笑いながら、石田の元へ去って行く金色と一氏。
「お前ら…まだ不安なんか?」
俺は未だにそこを動かへん、白石と忍足を見る。
最初に反応したんは、忍足や。
「お、俺は別にそんな…!」
どこか慌てた様子の忍足。
対して白石は真っ直ぐとゆでさんを見据えたまま俺の問いに答える。
「俺は不安やわ」
その言葉に忍足と俺は驚き、白石に視線をやる。
「転部なんか絶対させへん…!」
「白石はなんでそないにゆでさんを…」
俺の言葉に、忍足は固唾を飲んで白石を見とった。
「それは…絶頂やからや」
「「は?」」
白石の言葉に、俺たちは口を揃えて聞き返す。
いや…エクスタ…?
なんやねんそれ。
「同じ部活、同じ帰り道…それだけでなんか青春っぽいやん!絶頂感あるやん!?」
「全然理解できへんねんけど」
何を言うとるんやこいつは。
えくすたしいって、危ない表現やないんか…!?
それをこんな、中学一年の子供がオープンに口走ってえぇんか…!?
「どのへんが絶頂感あるかと言えばまぁ強いて言うたら…」
長々と話を始める、熱の入った白石に対して俺たちは顔を見合わせた。