Best Friends

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***小石川side



「ちょっとちょっと〜!忍足きゅん、どないすんのん!?」

「なんで俺やねん!」

「お前ら声でかいわ!隠れてんのバレるやろ!」

上から、金色、忍足、一氏と順に口を開いた。

この状況を最初から説明する。

まず、昼休み。

委員会で呼び出された俺は昼食を終え、職員室へ向かった。

用を済ませて中庭を通って教室に戻ろうとしたところ、石田と合流する。

教室まで一緒に帰ろうとした時、目に付いたのが…

明らかに怪しい動きの白石と忍足。

木陰に隠れてコソコソと、何かを見ているようやった。

「…」

「…」

怪訝な目でその姿を見ているとふとした瞬間に白石と目が合い、手招きされる。

そして石田と俺は白石の元へ足を進めた。

「お前ら何して…「しっ!小石川、静かに!」」

忍足に注意されてしまったので、仕方なくヒソヒソ声で話す。

「…お前らさっきから何して「あぁ〜ん!そこにおるん、石田きゅもがっ」」

俺の背後から声が掛かり、振り向けばそこには…

白石に羽交締めされる金色がおった。

少し頬を染めているのは見なかったことにしよう。

金色の隣におった一氏はこちらに足を向けてくる。

「おぅ、小石川!お前らこんなとこで揃って何しとんねん?」

「俺かて知りたいわ!」

「はぁ!?」

またも声を荒らげる俺たちに制止の声を掛けたのは、忍足や。

「俺が今からまとめて説明するから、お前ら大人しくせぇ!」

その忍足の言葉を聞いて、俺たちは黙る。

「ほら…あそこ。見てみぃ…」

控えめな声で、木陰の向こうを指差す忍足。

俺たちはこっそりと身を乗り出してその先に視線をやる。

するとそこにおったんは…

「アメフト部はもうえぇの?」

『テニス部が一番ですわ!』

ベンチに座って楽しそうに話す…

…誰や?

ゆでさんやろがい

ビシィと一氏にツッコまれる。

「いや、それはさすがに分かるわ!せやのうて、隣の!」

「ゆではんが敬語使ってんのん見たら、先輩みたいやけどな…」

「ゆでサンとテニス部以外の先輩…共通点が見付かれへん…」

石田も白石も、相手がどんな存在なのかは分からんみたいや。

「ゆでさんにもテニス部以外の先輩くらいおるやろ…そない気にせんでも…」

「甘いな小石川っ!」

控えめながらも自信ありげに俺に指を差してきたのは一氏や。

「なっ…」

「せや…小石川、よぉ二人の会話聞いてみ」

「…?」

忍足に言われて二人の会話に耳を澄ませる。

「ゆでさんと一緒に全国行きたいわぁ」

なるほどそういうことか…!

「他の部活に勧誘されとる…!?」

「せや」

「いけるん…?」

「それが…」

みんなでゆでさんに目を向ける。

あはは、寝言は寝て言うてくださいね

おお…結構バッサリやな…

何の迷いもなしに先輩を一刀両断するゆでさんに、むしろ清々しささえ覚えるわ。

「さっきからずっとあんな感じやねん…」

ふぅとため息をつく忍足。

「?…ゆでさんは他の部活に入るつもりないんやから、何も問題あれへんやろ」

「それがそうでもなさそうでな…」



キーンコーンカーンコーン 



忍足のセリフに被せるようにチャイムが鳴る。

「ほら、お前ら教室戻んで」

「こっからが問題なんやろ!ほら!見てみ!」

先ほどからなぜか少し興奮気味の一氏に言われ、渋々視線を戻す。

と、その瞬間。

「「「おぉっ…!」」」

先輩が、その場を去ろうとするゆでさんの腕を掴んで、何やら告げている。

「あれはもしかしてもしかするとぉ〜…告白ちゃいまっか!?」

「ほんまか!やるやんけあいつ!」

「お前らが興奮してどないすんねん!って、あ…たまご行ってしもた…」

去って行くゆでさんの後ろ姿を見送ってから俺らは身を寄せて話し合う。

もしゆでさんがあの先輩を好きになって、部活もあの先輩の所属してるところに転部希望出したらどないしようか。

ゆでさんにテニス部に残ってもらうために何をすべきか。

話し合いの結論だけ言うと…

テニス部の良さを改めて伝えよう、ということになった。
 
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