Best Friends
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『ってなことが今朝あってなぁ…』
「一番気になるのは金色のネタやねんけど」
全てを聞き終わった白石くんが口を開く。
『たしかに気になるけども』
「うふふ、ヒミツぅ〜♪」
言いながら腰をくねらせる。
『でも金色さんと一氏くんのネタ、もっと見たいわぁ』
「あら、嬉しいこと言うてくれるやないの〜。あ、それと…」
なぜか金色くんって言うたらあかん気がして、金色さんと呼べば本人はウインク付きで言うてくれる。
「"小春"って、可愛く呼んでな☆」
パチッと効果音がつきそうなくらい、上手いウインクやった。
ほんで…
『なんか可愛ぇ…!』
これが男心をくすぐるってやつか。
あれ、なんかちゃう気するけど…
まぁえぇか!
『小春ちゃん!改めてよろしゅう頼むわ!』
「たまごちゃんもね!」
言いながら抱擁し合えば、白石くんに制される。
「道端やし、やめときぃ」
『はーい』
笑いながら離れるけど、私の心内は穏やかやない。
小春ちゃん結構細かった…!
密かに唇を噛み締めとったら、小春ちゃんの声がかかる。
「ほな、アタシたちはここで失礼するわね♪」
「またえぇネタ持ってこいよ〜」
小春ちゃんと一氏くんが軽く手を振る。
あぁそうか、もう別れ道なんや。
『今日はおおきになー!』
「ほな!」
「明日、朝遅れなやー」
様々な声を掛け、私たちは別れた。
そして小春ちゃんたちが見えへんくなった時。
「ほな、俺もここで」
『あ、謙也家ここらへんなんや』
「おん、まぁな!」
「謙也、明日の朝練遅れなや?」
「あほか。俺が遅れるわけあらへんやろ」
渡しは軽く別れの挨拶を交わす二人を傍らで見守る。
「はは、せやな。ほな!」
「おう!」
『ばいばーい!』
謙也はそう言うて、私達とは別の方面へ去って行った。
「俺らも行こか」
『せやな』
そう言うて白石くんが謙也に背を向けたのと同時に、謙也がこっちに振り返った。
あ、目ぇ合った。
「またな!」
そう言うて、大きく手を振る謙也に、私も振り返した。