Best Friends
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キーンコーンカーンコーン
今日の部活はオフや。
久し振りに今日は帰ってゆっくりできる。
友達に電話とかゲームとかしかせぇへんけど。
「たまご、今から帰るん?」
前の席の謙也が、自身の鞄に荷物を詰め込みながら話し掛けてくる。
『せやで、謙也は?』
私は鞄を机に置きながら聞き返す。
「俺も帰る!部活オフやし!」
『そうなんや。家どっちなん?』
「商店街の方やで!たまごは?」
『おぉ、一緒やん!ほな一緒に帰る?』
「おん、帰ろか!」
と、そんな流れで謙也と一緒に帰ることになった。
***
「俺同期の従兄弟おってさ〜」
『へ〜!同期の従兄弟かぁ、珍しいなぁ』
帰り道、謙也と並んで歩いとる。
「そいつもテニスやっとってな…」
前を見ながら言う謙也に、うんうんと頷いて話を聞く。
「あいつにだけは負けたくないねん!せやから、頑張って練習する!」
『へぇ〜、おもろそうやなぁ。また紹介してや』
メラメラと闘争心を燃やす謙也。
そんな謙也の話す相手のことを、私はどないな人なんかなぁと想像しながら言う。
「今はそいつ東京おるから、大阪帰ってきた時な」
『うん、そん時は教えてな』
「…」
『…謙也?』
急に黙り込んだ謙也。
私は謙也の顔を伺い見る。
「たまごは四天宝寺のマネージャー…やんな」
少し憂い顔を見せる謙也に、私は心の声をそのまま口に出す。
『は?』
「え、いやそこは、どないしたん?って心配してくれるところじゃ…」
『だっていきなり謙也が変なこと言うからやん』
私は四天宝寺のテニス部マネージャーやって、確認する必要あったっけ?
あれ、ちょっと待てよ。
もしかして、このパターンって…
『私入部すらできてへんかったん…!?』
「見事にはずれやわ」
せ、せやんな。
だって水泳部の先輩に見守られながら入部届け書いたもんな!
「あいつに会わせてもえぇけどさ…」
謙也は何やらごにょごにょと口ごもる。
『何か良くない理由とかあるん?』
「いや…変な箘移されへんかと…」
『何それ急に怖くなってきたんやけど』
箘って何!?
箘を身体に纏った人が謙也の従兄弟!?
そんなん聞いたことあらへんけど!?
『ま、謙也がおったら安心やろ』
あんまり気にせんとこうと、話を流そうとしたその時。
「ラブラブやーん、ふたりともぉ」
「『!?』」
突然、後ろから聞こえたオカマ口調に私たちは歩みを止めた。