Best Friends
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「満点やわ!最高におもろかった!」
「もっかい見たいわ〜!」
先生に続いて笑ってくれるみんな。
「大成功やったなぁ」
『せやなぁ!』
忍足くんと二人で顔を見合わせて笑い合う。
「お、なんか今ちょっとえぇ雰囲気漂わんかった?」
「ウチも思った!」
「夫婦漫才や〜!」
「ち、ちゃうわどあほー!」
ヒューヒューと茶化してくるみんなに、忍足くんは顔を赤くして抗議しとる。
「はい、みんな静かに〜!あ、二人とも席ついてえぇで」
先生のその言葉によって私たちは自席につく。
「このコンビは単純におもろいだけやないでぇ!」
どういうことやろうと思いながら次の先生の言葉を待つ。
「技ありの箇所が非常に多かった!分かるモンおるかー?」
「二人ともツッコミとボケの両方担当しとった!」
「回文を自然な流れで会話に混ぜ込んどった!」
「ちゃんとテーマを考えたこと!」
「オチにお題を使っとった!」
うんうんと先生は頷く。
「先生が思うのはテンポが良かったこと!お笑いにリズム感は欠かせへんで〜!次回からリズム感を意識するように!」
キーンコーンカーンコーン
授業終了のチャイムが鳴る。
「残った子は来週続きやるから!ほな、授業終わり〜!」
そう言うて先生は去っていった。
「ふー…なんとか乗り切ったな!」
『おん、おおきにな!また頼むわ!』
「任せとき!」
次の授業の準備をしながら話しとったら、さっそくからかわれる。
「夫婦漫才の打ち合わせか?」
「はぁ!?まだ言うとるん!?」
『ちゃうちゃう』
私たちは笑いながら否定する。
笑っとるん私だけやけど
「授業終わったんにまだ言うてきよるであいつら…」
からかってきたクラスメイトの方へ、じと目を向けてため息をひとつつきながら言う。
『そないに私と夫婦言われんの嫌なん?悲しいわぁ』
「い、いやそういうわけやないけど…」
白々しく言う私に対してキョドキョドと焦り始めとるわ。
『ま、えぇやん。これからよもろしくな!"謙也"』
「!」
さっきの漫才の時のノリで、"謙也"って下の名前で呼んでみる。
漫才中は青春ストーリーってことで、下の名前で呼び合うことにしとったけど。
「改めてよろしく頼むわ、たまご」
私たちは改めて、握手し合った。