Best Friends

□03
3ページ/5ページ




「満点やわ!最高におもろかった!」

「もっかい見たいわ〜!」

先生に続いて笑ってくれるみんな。

「大成功やったなぁ」

『せやなぁ!』

忍足くんと二人で顔を見合わせて笑い合う。

「お、なんか今ちょっとえぇ雰囲気漂わんかった?」

「ウチも思った!」

「夫婦漫才や〜!」

「ち、ちゃうわどあほー!」

ヒューヒューと茶化してくるみんなに、忍足くんは顔を赤くして抗議しとる。

「はい、みんな静かに〜!あ、二人とも席ついてえぇで」

先生のその言葉によって私たちは自席につく。

「このコンビは単純におもろいだけやないでぇ!」

どういうことやろうと思いながら次の先生の言葉を待つ。

「技ありの箇所が非常に多かった!分かるモンおるかー?」

「二人ともツッコミとボケの両方担当しとった!」

「回文を自然な流れで会話に混ぜ込んどった!」

「ちゃんとテーマを考えたこと!」

「オチにお題を使っとった!」

うんうんと先生は頷く。

「先生が思うのはテンポが良かったこと!お笑いにリズム感は欠かせへんで〜!次回からリズム感を意識するように!」



キーンコーンカーンコーン



授業終了のチャイムが鳴る。

「残った子は来週続きやるから!ほな、授業終わり〜!」

そう言うて先生は去っていった。

「ふー…なんとか乗り切ったな!」

『おん、おおきにな!また頼むわ!』

「任せとき!」

次の授業の準備をしながら話しとったら、さっそくからかわれる。

「夫婦漫才の打ち合わせか?」

「はぁ!?まだ言うとるん!?」

『ちゃうちゃう』

私たちは笑いながら否定する。

笑っとるん私だけやけど

「授業終わったんにまだ言うてきよるであいつら…」

からかってきたクラスメイトの方へ、じと目を向けてため息をひとつつきながら言う。

『そないに私と夫婦言われんの嫌なん?悲しいわぁ』

「い、いやそういうわけやないけど…」

白々しく言う私に対してキョドキョドと焦り始めとるわ。

『ま、えぇやん。これからよもろしくな!"謙也"』

「!」

さっきの漫才の時のノリで、"謙也"って下の名前で呼んでみる。

漫才中は青春ストーリーってことで、下の名前で呼び合うことにしとったけど。

「改めてよろしく頼むわ、たまご」

私たちは改めて、握手し合った。
 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ