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「えっ」

「!」

「『あ』」

すんごい状況、忍足くんと千夏さんに見られた…。



***回想



午後2時。

『…ニ人とも、来ぇへんなぁ』

「…腹減りましたわ」

『私も…先食べとこーやぁ』

「はぁ…」

『あ、見てーあんな所ところに偶然購買が』

何たる棒読み

『あ、ポテトとかポップコーンとかもあるで!』

「はぁ…」

『行こ!』

「は?いややし」

『え?何で?』

「俺はあっち派っすわ」

『レストラン?』

無言でコクリと頷く光くん。

何今めっちゃキュンてした

くたばれ

『とりあえず、購買にれっつらごー』

私は光くんの腕を引いて

「ちょっ…」

強制的に購買に連れていった。

「いらっしゃい!!」

『私フランクフルト!』

「…」

『光くん、頼まへんの?』

「ぜんざい」

『はい?』

「ぜんざい食いたいっすわ」

『何言うてんねん!ぜんざいなんか「あるで!何で?

「とりあえずぜんざいあるんやったら何でもえぇっすわ」

「はいよ、680円な〜」

『光くん、よろしくねっ☆』

イラッ

そう言いながらも光くんは払ってくれた。

「昼間っからラブラブやなぁ!」

『え?ちょ「ちょい待ってください、何で俺がこんな奴とラブラブやねん」は!?』

こんなやりとり、この前もあったなぁ…。

「照れ屋やなぁ〜。おっちゃんも混ぜてや!」

『フランクフルトもう一本おまけしてくれる?』

そこ?

「あいよ、フランクフルト」

『おっちゃんおおきに〜!』

「プラスポテトや!」

『おっちゃん大好き〜!』

「…。おおきにっした〜」

おっちゃんにおまけをニつも貰い、私たちは適当にベンチに座った。

『ほんまラッキー!…んん、おいひい』

私がフランクフルトを頬張ると、光くんもポテトを口にした。

『あれ、ぜんざい食べへんの?』

ベンチの上に置いてあるぜんざいを見る。

「最後に食うに決まっとるやろ、デザートやし」

『そっか…あ、ポテトちょっとちょうだいや!はい、こっちもあげるから』

そう言ってフランクフルトを差し出せば、光くんは素直にフランクフルトをかじった。

「…まぁまぁやな」

そう言って光くんは

「ん」

私にポテトをくれた。

欠片だけ。

『ちょ、どういうことやねん欠片って!』

「欠片は欠片すわ」

『ほな、ぜんざい半分ちょうだいな』

「は?不平等すぎやろ」

そう言って光くんはぜんざいを口にした。

そして、光くんは勝ち誇った笑み(どや顔)をする。

かっこいいところが腹立つけど

『半分私が貰うはずやったのに…!』

言いながら光くんの手首を掴んでカップに口をつけて、そのまま光くんのぜんざいの汁を飲む。

「なっ…これは俺の、」

『そんなん知りませーん!』

そこで、もう一口飲もうとすると

「させませんよ」

光が先にぜんざいの白玉を食べた。

顔が近い。

『…』

「…」

光くんのエッチ!

どつくぞ

そんなやり取りをしてる間も、光くんの顔が近くにあって。

一瞬、ドキッとしてしまった。

いや、色んな意味でやけど。

忍足くん、ごめん。

そして

「えっ」

「!」

「『あ』」

振りだしに戻る。



***



「ふ、二人とも…そんな関係やったんやね…」

千夏さんの言葉で、我に返る。

そして光くんと同時にバッと離れる。

『いや、違っ…「冷やかしとかやめてくれません?事故やし」』

「あ…、堪忍ね、財前くん」

千夏さんが慌てて謝る。

『光くん、もっと言い方ってもんが…』

そう言いかけた時、忍足くんが目に入った。

「…」

『?』

さっきからどこか、ぼーっとしとる。

『忍足くん?』

「…」

ずっと押し黙ってる忍足くん。

話しかけても無反応や。

『どないしたん!』

肩を掴んで揺さぶると

「そんな関係やったんや…」

めっちゃビックリした様子やった。

『せやからそんなんちゃう言うとるやろ!人の話聞いとる!?』

「聞いてへんかった!」

聞け

私がツッコんで、しばらく沈黙。

「あ…うちらもな、実はちょっと食べて来たんよ」

「腹減ってしもてな…」

『そっか!ほなまたみんなでまわろや!』

「せやな!」

「ほな、行こか!」

「『おー!』」

私たちは4人で歩き始めた。
 
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