Middle
□08
1ページ/9ページ
『トゥルルットゥットゥットゥットゥ♪トゥルルットゥットゥットゥットゥ♪』
いつになく上がるテンション。
只今、午前10時。
待ち合わせ場所に向かってます。
昨日忍足くんと別れてからずっと、今日のことを考えとった。
あ、ちなみに歌ってんのはキューピー1分クッキング。
あの番組どおりにやってても、1分以内にでけたことあらへんのは私だけやろか。
『う、暑っ…』
ジリジリと太陽の陽射しが肌に突き刺さる。
今日は遊園地に遊びに行く日。
もう、めっちゃ楽しみや。
忍足くんといろんなとこ見てまわれるかも。
…我ながらきっしょ
私は待ち合わせ場所へと急いで自転車を漕いだ。
***
「「「遅い」」」
『はい、すいません』
只今、10時10分ちょい前。
「たまごさんほんまナイわぁ」
「先行こうかと思ったで」
「たまごちゃんってば…」
『ほんま堪忍っ!』
10時にここのコンビニに待ち合わせやったのに、10時過ぎに家出とった。
大阪人はちょーっと遅れたくらいで大騒ぎや。
『まぁまぁ…のんびりしとらんと、はよ行こうや』
「誰のせいやねん」
「まぁまぁ、謙也くん落ち着いて」
「〜っ…」
自転車を漕ぎながら、ふとみんなの方を振り返る。
みんなの私服姿素敵すぎるんやもん!
忍足くんはかっこいい、千夏さんは可愛い、光くんはおしゃれすぎる。
…あれ、私ここおってえぇんかな?
なんか泣けてきた。
『みんな…はよ行こ…』
「あれ、なんか今日元気ないですやん」
『別に…』
それから、私は自転車を漕ぐスピードを遅くした。
***
「『ついたぁー!』」
「遊園地とか久しぶりやわー」
なんて喋りながらみんなで入場する。
『せや、普通に4人でまわるのってさ、おもんなくない?』
「…グッパーでニ人ずつに別れて行動したいってことすか」
『さっすが光くん!クールアンドビューティー!』
「うざいっすわ」
「まぁまぁ」
千夏さんが私達をなだめて、さっそくジャンケンすることになった。
『せーのっ、グッとっパーで別れましょっ』
忍足くん…グー
千夏さん…グー
光くん…パー
私…パー
「一緒やねー、謙也くん」
「あっはい!…そーぉでっすね!」
「笑ってよきかなネタ?」
一緒になったことを喜び合う忍足くんと千夏さんペアと
「たまごさんと一緒とか…」
『何でそんな嫌そうな顔するん!』
「え、やって嫌やし」
『なっ…私も嫌やし!』
「俺の方が嫌やし。このブッサイクと一緒にまわらなあかんとかほんまだるい」
『こんなわがままな子を連れてまわらなあかんとか絶対しんどいやろなー疲れるやろなーあー嫌やなぁー!』
一緒になったことで罵り合う光くんと私ペア。
すごい差やけど、しゃーない。
「ほな、今から別れて行動します!2時間後に一旦ここに集合な!」
「「『はーい』」」
「ほな解散!」
解散の言葉がかかると、まず最初に動いたのは千夏さんやった。
「謙也くん、どこから行く?」
「ほな、ジェットコースターで!」
楽しそうにしてる二人に負けじと、私は地図を広げる。
「何か乗りたいんスか?」
『メリーゴーランド』
「子供か」
『えぇやん!乗ろーや!』
「死んでもいややし」
『何で!?』
「一人で乗ってきぃや」
『それは悲しすぎる!』
メリーゴーランドを諦めて、また地図に目を通す。
『あ、ウォータースライダーとかは?』
「それやったら…まぁ…」
『ほな行こ!』
そんな感じで、いろんな所を転々とまわっていったのであった。