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***爆豪視点



さっきの英語の授業が終わり、今は休み時間。

「…」

『…』

間抜け女は机に身体を伏せ、文字通りその間抜けヅラを晒しながらスヤスヤと寝息を立てている。

俺はそんな間抜け女の正面に立ち、腕を組んでコイツを見下ろしていた。

「…」

『…すぅ…』

クソ、クソ、クソッ!!

コイツ見てっと腹が立って仕方無ェ。

何なんだよコイツは。

やること成すこと全てが気に触る。

さっきの授業中だって、居眠りする方が悪ィのに俺をハメやがって。

笑い者にしやがって。

「…」

…俺を無視しやがって。

コイツのくせに。

「…」

『…』

周りは静かだ。

次は移動教室だからクラスの奴等はもう移動してる。

ここに居るのは俺とコイツだけ。

さっきの授業が終わってからコイツはすぐに寝て、俺はコイツの前に仁王立ちしていたため、クラスの奴等はそそくさと出て行った。

途中、コイツのダチらしいヤツがやって来たが…



"たまご連れて来てね、よろしく〜!"



とか言い残して出て行きやがった。

もちろん連れて行ってやる気は更々ねェ。

俺はコイツに、"どうやり返すか"を考えてんだ。

「…」

『…すー…』

グースカ鬱陶しく寝てやがるコイツの机を蹴っ飛ばしてやるのも良し…

突然怒鳴ってビビらせてやるのも良し…

逆に無言でコイツをこの場に置き去りにしてやるのも良い。

いや、置き去りにするのは良いが、なんか俺がスッキリしねェな。

どーせやんなら、スッキリする方が良い。

「…怒鳴ってやるか」

大声を出せばコイツはビビるし俺もスッキリするだろう。

俺はコイツの耳元に顔を寄せた。

「…」

…が、

『…』

「!」

俺は咄嗟に顔を離した。

突然、コイツの寝息が止まったからだ。

「(起きたか…!?)」

やんわり起こすなんて絶対許されねェ、コイツには飛び上がってもらわねェと。

「…」

開いた窓から入ってくる風によって、ふわりとコイツのにおいが鼻を掠める。



ドクン



「…?」

何だ今の。

何故かコイツのにおいを嗅いだ瞬間、俺の心臓が音を立てた。

「(…まさか何らかの"個性"を使って…!?)」

バッとコイツから飛び退く。

「…」

『…』

「(…いや、警戒し過ぎか)」

起きてる訳じゃなさそうだ。

しかもコイツの"個性"は"回復"だとか何とか言ってやがったからな。

…仕切り直しだ。
 
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