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とある日の午前の授業中。

「この例文と同じように、過去分詞の形容詞的用法を使って…」

『…』

眠い、非常に眠い。

テスト勉強のために睡眠時間を削ったせいで、すごく眠い。

気を抜いたらこのまま寝てしまいそうだ。

でももうすぐテストだし、ここで寝る訳にはいかない…。

『(もうすぐ授業も終わるし…頑張れ、頑張れ…)』

自分自身にエールを送りながら私は必死に眠気と戦った。

『…、…』

うつらうつらとしていると、

「ブフッ…!」

私の右隣の席から何やら吹き出すような声が聞こえた。

『…?』

何事かと思いながらも、私はゆっくりと目線をそちらへ向ける。

するとそこには、こちらを見ながら嫌味な笑みを浮かべる爆豪くんが居た。

「オイ…その間抜けヅラやめろやっ…」

『…』

先生には聞こえていないのだろうか、ヒソヒソと話し掛けてくる爆豪くん。

「今にも白目向きそうじゃねェか、くくっ…」

プククと小馬鹿にしたような笑い声が聞こえてくる。

『…』

…ウザイ…

普段の行動にもイラッとすることがあるのに、今このタイミングでこの絡み方は非常にウザい。

放っといてくれ。

『…』

「あ?…ンだよ間抜け女、なんか文句あんのか?」

私はジト目で彼を見、それに対して彼は更に煽ってくる。

『…』

「!」

私は何も言わずに、ふいっと彼から目を逸らした。

挑発に乗って言い返すからいけないんだ。

それに今は眠い、放っといてほしい。

結構本気でウザい。

「…お、おいってめェ無視すんっ…」

「爆豪、何騒いでるんだ〜」

「!」

とうとう先生に見つかったらしく、爆豪くんは勢い良く顔を上げて精一杯反抗していた。

「はァ!?騒いでねェし!」

「"問4"の答え、答えてみろ〜」

「チッ!」

爆豪くんは何やら先生に指摘され、不機嫌になっているようだ。

正直、ざまぁって思った。

『…、…』

私はそんな爆豪くんを特に気にも留めず、また眠気と戦い始めたのだった。

「(…ンの野郎、調子ぶっこきやがって…!)」

爆豪くんがこちらを見て、歯を食いしばっていたことなんて知らずに。
 
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