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***爆豪視点



「おはよう、たまご!」

…うるせぇ。

「たまごちゃん居る〜?」

「たまご、宿題見せて!」

「聞いてよたまご〜!」

うるせぇ、うるせぇ…!

何なんだ、どいつもこいつもたまごたまご言いやがって。

うるさくて仕方ねェ。

休憩時間ごとに色んなヤツがコイツの席へやって来る。

何をそんなに話すことがあンだ、暇人かよクソが。

『あはは、何それ〜!』

それに応えてケラケラ笑ってやがるコイツに対して、無性に腹が立つ。

そんな俺は席を立ち、



ガンッ



「キャッ」

『うわっ』

コイツの机の足を蹴った。

コイツもそのダチも驚いてやがる、いい気味だ。

『え、なに…?』

目を大きくして間抜けな面を晒してやがる。

俺は特に返事はしなかった。

チッ

何で舌打ち?

背を向ける俺に何やら呟いているが知ったこっちゃねぇ。

俺は振り返らず、自販機へ飲み物を買いに行くために足を速めた。



***



キーンコーンカーンコーン



休憩時間終了のチャイムが鳴り響く。

「あ、チャイム鳴っちゃった!じゃあたまご、また後でね!」

『ん、後でね〜!』

まただ、あぁマジでうっぜぇ。

これから授業が始まるっつーのにイライラする。

「はーい、じゃあ前の続きからやってくぞ。教科書の43ページ開いて〜」

ぺらぺらと紙の捲る音が室内に響く。

「前回は二次方程式の基礎問題をやったから、今日は応用を…」

黒板に数式が並べられていく。

「(ハッ…こんなもん応用にもなんねーだろが、ナメんな)」

俺はサラサラとノートにペンを走らせる。

「(こんなん雄英志望の俺にゃぁ楽勝…、ん…?)」

ふと自分の左側の席に目を遣る。

すると、ペンを止めてうーんと悩んでいる間抜け女が目に入った。

コイツにとっちゃあこの程度の問題も難しくて解けねぇんか、頭ワリィんだな。

「…」

『…、』

少し考えるような仕草の後に、コイツはペンをノートに走らせた。

…かと思えば、書いた数式を消しゴムで消す。

そしてまた悩み始めた。

「…」

『…!』

また閃いたような表情でペンをノートに走らせた…

かと思えば再度消しゴムでそれを消す。

さっきから何回も何回も同じことの繰り返しで、見ているだけでイライラが募った。

「解けた者は次のページの…」

「チッ…ウゼェなクソが…」

ボソッと呟きながらも俺は教科書を捲った。

「(勝己のやつ、ゆでのこと見過ぎじゃね?)」

「(最近ずっと見てるよなァ)」



***爆豪視点終了
 
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