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体育の授業中のこと。

今日は男女合同でバスケをしており、体育館内には生徒達の声が響いていた。

「パス!こっち!」

「だめだ行かせるな!」

…階段から突き落とされたあの日以来、少し変わったことがある。

あの後爆豪くんの友達は先生から指導を受けたらしく、私も"発言には気を付けなさい"と注意を受けた。

そして爆豪くんは…

「ふっ!」

「「「おぉおおお!!」」」

「爆豪スゲェ!」

「ナイッシュー!」

見事にボールをゴールインさせて見せた。

彼は意地悪なくせに勉強も運動も出来るという、ハイスペックボーイなのだ。

そして、

「勝己、なんか最近調子良いなぁ」

「機嫌も良いよなぁ」

彼は最近、目に見えて調子と機嫌が良い。

以前までの嫌がらせも随分と減り、今では少しからかわれる程度になった。

相変わらず悪態はつかれるけれど。



ピッ



再開のホイッスルの音がして、私は気を引き締める。

こうしている今、私もコートに立っているのだ。

男女合同だからね。

「いけー!」

「ディフェンスしっかり!」

コートの外から応援の声が飛んで来る。

「たまご!」

『うん!』

味方の友達からパスされたボールを受け取り、ゴールの方へと走る。

が、目の前に影が射した。

私の目の前に立ち塞がっていたのは、相手チームの爆豪くんだ。

「テメェ、ボール置いてけや!」

『うわっ…』

私が避けるより先に爆豪くんがタックルして来る。

そしてドンッとぶつかったかと思えばボールは呆気無く奪われてしまった。

そのまま爆豪くんはもう一度シュートを決める。

「ゴール!!」

「爆豪ナイス!」

「たまご、思い切りぶつかられてたけど大丈夫?」

爆豪くんへ拍手が送られる中で、先程私にパスを出してきた友達が声を掛けてくれる。

『大丈夫!何ともないよ、ありがと〜!』

「なら良いんだけど!」

友達と私は軽くやり取りをして笑い合った。
 
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