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「んっ…ぐぅう!」
『よっしゃ!…うわっ、しもた!』
スマプラを無事に見つけ出したふたりは、絶賛大乱闘中や。
「"フッ!ハァッ!ヘアァッ!"」
『"グッフゥ〜"』
ちなみに使ってるキャラの説明をすると…
謙也さんはリンク、たまごさんはドンキー。
もうちょい他に何かあらへんの?
なんでたまごさんって、こんなんなん?
ハァ…おもろ。
「うぉおおお負けたぁ!ゆでさん強いな!」
『忍足くんが弱いんやと思うで』
あ、謙也さん下唇噛み締めとる。
「と…とりあえずコンビニ行ってアイス買うてくるわ」
「えっ」
ゆらりと立ち上がる謙也さんに、俺は思わず顔を上げる。
『私、ハロゲンダッツのバニラ!』
「光は?」
「え…コンビニって…今から…?」
「せやで、何がえぇん?」
『忍足くんが奢ってくれんで〜!』
茶化し合いを始めるふたりなんて気にせず、俺は言うた。
「俺も同じので」
***
謙也さんが部屋を出て行ってしばらくして。
たまごさんは俺のベッドで、俺の雑誌を見ながらごろごろしとる。
『ふんふ〜ん…♪』
…無防備って言うんちゃうん、こういうの。
それとも俺は男として識別されてへんのか。
ていうか謙也さんもおかしい。
普通自分の彼女を男の部屋に置いて、一人で出掛けるか?
なんやねんこのふたり。
「…」
俺の好きな人が、俺の部屋で、俺のベッドで、ごろごろしよる。
我慢せぇ言う方がおかしないか?
「たまごさん…」
『ん〜?』
ベッドに居ることによって少し乱れた衣服も、今は色っぽく感じる。
…っていやいや、この人に色っぽいとか絶対あらへん!
ドンキーやぞ…!
せや、この人はドンキーや。
ドンキーやと思って接そう。
「ド…たまごさん」
『なんや〜光くん』
危ねぇえええ!
本人に向かってドンキーって呼びそうになった!
「えっと…ほら、お菓子食べます?」
『えぇよ、光くん食べぇや!忍足くんがアイス買って来てくれるし!』
「そっすか…」
なんとか誤魔化せたみたいやな。
「…」
『…』
たまごさんは雑誌に夢中や。
ふとたまごさんの、髪を耳にかける仕草が目に入る。
「…っ」
あかん…なんか話しとかな、意識してまう…