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ピーンポーン



「はい…、っうわ…」

今日は珍しく一日オフの日や。

貴重な休日をだらだら過ごそう思ってたんに…

謙也さんとたまごさんが来た。

帰ってもらってえぇですか?

どストレートやな

いつにも増して機嫌悪いな

「…」

玄関の扉を閉めようとすると、たまごさんが待ちぃや!と腕を掴んでくる。

そのせいで、俺の身体が少し熱くなった気がした。

俺のたまごさんへの想いは、まだ消えてへんみたいや。

「…なんすか?」

『この前のお礼しに来てん…』

「この前…?」

ストーカー事件のことやろか。

「まぁまぁ、こんなとこで立ち話すんのもアレやし!部屋いこや!」

お前が言うな

誰の家や思うとんねんこの人は。

明るい笑みを浮かべる謙也さんに内心でツッコミながらも、しぶしぶ扉を開ける。

帰れ言うて帰る人らやないし。

「とりあえずこれ、俺らから」

「あぁ…ども」

そのへんで買ってきたであろう菓子折りを謙也さんから受け取る。

「俺の部屋分かりますよね?飲みモン用意するんで先行っとってください」

そう言うて振り返ると、ふたりは既にズンズンと俺の部屋へ向かっとった。

『お邪魔しまーす!』

「あぁ光、お構いなく!」

謙也さんがひらひらと手を振る。

お前らは少し構えよ!

まぁ本人たちに言うても聞かんやろうから、口には出さんけど。

「ハァ…」

俺は飲み物を用意するために、大人しくキッチンへと向かった。
 
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