Resonance

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「(スパーダお坊ちゃまにも、守りたい御仲間が…いえ、守りたい御人が出来たのですな…)」

ハルトマンはスパーダのことを思い浮かべているのだろう、また懐かしいような表情をしている。

『でも…守ってもらってばっかりではいられないので、私も精進します』

確かに天術は…転生者は凄い。

けれど不死身という訳でもない。

みんなの足を引っ張らないように…出来ることなら、少しでもみんなを助けられるように…。

私は更に銃の精度を上げようと改めて決意した。

『少しでも、みんなの力になれたなら…』

小さく呟くと、ハルトマンはしっかりと頷いてくれた。

「ベルフォルマ家 士道訓五箇条にもございます。"個よりも 全に仕えよ"と…そのお気持ち、どうぞお忘れなきよう」

私は静かに頷いた。

「さて…夜も更けてきました。そろそろお休み下さいませ、明日に支えてしまいます」

『そうさせて頂きます。遅くまですみません』

「いえいえ…こちらこそ、老人の戯言にお付き合い下さりありがとうございました」

私に気を遣わせないようにするためか、ハルトマンはそう声を掛けてくれた。

『ゆっくりお話出来て楽しかったです!ご馳走様でした』

「あぁ、カップはそのままで結構でございます」

飲み終えたティーカップを片付けようとすると、ハルトマンにそれを制された。

『何から何まですみません』

「とんでもございません。それではお休みなさいませ、また明日」

『はい!おやすみなさい』

私はハルトマンに頭を下げてダイニングを出た。

思ったより長話になってしまったけれど、ハルトマンとお話出来て良かった。

一人であれこれと考えるより何倍もスッキリしたし、話しながら自分の考えが整理出来た気がする。

薔薇のハーブティーも美味しく頂いたしね。

今度、私もブレンドしてみようかな。

そんなことを考えていると寝室に辿り着いた。

『…』

ぐっすりと眠るみんなを見渡す。

『おやすみ、みんな』

私はベッドに潜り込み、すぐに深い眠りへと落ちていったのだった。



(守られてばっかじゃいられない)
 
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