Resonance

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「それじゃあ僕達、そろそろ行かないと…」

そうルカの声がして、イリア、スパーダ、私はルカの元へと戻った。

「そうね…ねぇルカくん?私ここに居るから、怪我をしたらいつでも来てちょうだいね。約束よ?」

チトセには、もうルカしか見えていないようだった。

「そうだ、ルカくん。良かったらこれを」

「これは…おにぎり?」

「お腹が減っていたら本来の力が出せないでしょう?」

「でもこれはチトセさんのじゃ…貰えないよ」

「うぅん、そんなこと言わずに受け取って?おにぎりならまた作れば良いもの」

えへへと笑うチトセ。

そんなチトセとルカを見て、イリアが苛立ちを隠さずに指を差した。

「しつこいわね、要らないって言ってるでしょ!さっさと引っ込めなさいよ!」

「…」

チトセはイリアを睨んだ。

イリアも負けじと睨み返す。

「じゃあせめて、これを…」

チトセはおにぎりをしまい、代わりに、ご飯、塩、海苔等の調味料を差し出した。

「少しでも貴方の力になれたら…またね、ルカくん」

チトセは名残惜しそうにしつつも、ルカから一歩離れた。

「タマゴちゃんも、また会いましょうね」

『あ、うん!チトセも気を付けてね』

私がそう言うと、チトセはニコッと笑ってくれた。

そして小さく手を振ってからチトセは去って行ったのだった。

「あ〜ッ!ヤなカンジ〜!!あっかんべ〜っだ!」

「コーダも あっかんべーするのだ、しかし」

イリアとコーダは、チトセの背中に向けてあっかんべーしている。

うん、やっぱり可愛いなこの子。

そんな彼女等を横目に、スパーダはルカに話し掛けた。

「なぁルカ。あの子、お前の前世がアスラって知ってんのか?」

『あ、それ思った。知ってそうな雰囲気だったけど…』

「ん〜、言った憶えはないけど…でも、知ってたみたいだね。どうしてだろ…」

うーんと三人で首を傾げていると、イリアがこちらを振り返る。

「そんなのどうでもいいでしょ!さぁ行こう!あ〜もう!けったくそ悪い!」

イリアとコーダはズンズンと先の方へと進んで行ったのだった。



(はぁ、やれやれだぜ)
(あはは…イリアとチトセがここまで仲悪かったとは…)
 
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