Resonance

□01
16ページ/16ページ




「は〜ぁ。それにしてもいつまでここに居なきゃいけないんだろう…」

『そうだよ、今の内に何か策を…』

直後、ウィインと扉の開く音がした。

同時に兵士が部屋に入ってくる。

一瞬にして、私達は気を引き締めた。

そんな私達を見渡した後、兵士は開口した。

「これより適性検査を行う!」

『適性…検査…!?』

それがなんだか分からないけれど、ゾッとした。

適性って…何に対する適性なんだろう。

一体何をされるんだろう。

「ルカ・ミルダ!イリア・アニーミ!スパーダ・ベルフォルマ!タマゴ・カステラ!以上四名、出ろ!」

「あぁ?適性検査だと?何やらされんだよ!?」

「貴様等の戦闘能力を検査する!詳細は話せん!」



"戦闘能力"。



それってつまり…

今から戦うってこと…だよね…?

『…』

ショックで言葉が浮かばない…何も話せない…。

「戦闘能力ぅ?はッ!上等じゃねーか!」

「あのぅ、チトセさんは来ないんですか?」

「教団への入信を希望する者には適性検査は行われない。お前等も入信を希望するか?」

「あ…そ、そういうことならじゃあ、僕も希望…」

「だーれが入信なんてするもんですか!バーカバーカ!」

「ったりめーだろ!教団なんか入りゃしねーよ!なぁルカ?」

「ええ〜…そうなんだ…」

「はん、その度胸は認めてやろう。だがそれがいつまで続くかな?」

みんなのやり取りなんて全く頭に入って来ない。

『…』

自分の背中を、冷や汗が伝う感覚。

「それでは着いて来い!」

「入信なんて有り得ないんだから!」

「イリア、待つんだな しかし〜!」

イリアとコーダは迷わずに兵士に着いて行った。

「ルカくん、気を付けてね」

「うん!」

そして、チトセと小さくやり取りをしたルカが二人の後を追う。

『(怖い、怖い、怖い…)』

行きたくない…。

私は恐怖で震える自分自身の手をギュウッと握った。

その時。

「タマゴ」

『!…スパー…ダ…』

スパーダは正面から私の両手を包み込んだ。

「…オレに考えがある」

彼は私の目をじっと見て、そう言い放った。



(彼はいつだって私を助けてくれる)
(どうして…?)
(今はまだ何も、分からない)
 
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ