テイルズ・イナイレ

□愛のしるし
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***回想



「わあ、広いわね!しかも貸し切りじゃないの!」

「そうね、誰か来る前に入っちゃいましょうか」

『…』

アタシとアンジュは脱衣後、身体にバスタオルを巻いた。

「…あら?たまご、どうしたの?」

『あ〜…私は後で行くから、二人とも先に行っててくれないかな?』

一向に服を脱ごうとしないたまごに、アタシとアンジュは目配せをする。

「ははーん?さてはたまご、裸になんのが恥ずかしいのね?」

「恥ずかしがることは何もないわよ?」

『えっと、何て言うか…』

少し顔を赤らめて言うたまごに、どうしてもいたずら心が刺激されてしまう。

「なーに恥ずかしがってんのよ!女同士なんだから別にいいじゃない、これも裸の付き合いよ!」

言いながらアタシは少し強引にたまごの服を脱がせに掛かった。

『い、イリア!?』

「アンジュ!手伝って!」

「ふふ、仕方無いわね」

『ちょっ二人ともやめっ…!』

「お!たまごアンタ、イイもん持ってんじゃない!」

『イリア、おじさんみたいなこと言わないで…!?』

「だーれーがーおじさんですってー!?」

しばらく攻防したものの、こちらが有利な状況には変わりなく…

結果的に、たまごの服がはらりと地に落ちた。

たまごの身体を見たアタシとアンジュは一瞬ピタリと動きを止める。

「…んん〜?たまご、これは何かな〜?」

たまごの身体には、不自然に赤い箇所がいくつもあった。

アタシ達は悟る。

それが所謂キスマークであることを。

「うふふ、これはまだ、つけられてからまだそんなに経ってないわね…昨夜あたり、かしら?」

『!』

アンジュの言葉を聞いて、図星だったのかたまごは更に顔を赤らめた。

『こ、れは…!つけられたとかそんなんじゃ…あ、そう!蚊に噛まれたんだよ』

「ふーん、蚊ねぇ…」

「首、胸元、背中…随分たくさん噛まれたみたいね?"誰かさん"に!」

『!!』

確信をついたアンジュの言葉に、たまごは身体をビクつかせていた。

分かりやすいわね、ホント。

「…で、スパーダってどうなの?…イイの?」

「自分で"経験豊富"って言うからには、ある程度…上手いんでしょ?」

『なっ!そ、それは…!』

「ちょっと詳しく聞かせなさいよォ」

「私も興味あるわ、ぜひ聞かせて?」

アンジュと二人してたまごに詰め寄る。

するとたまごは、

『…さ、先にお風呂入ってるから!!』

耳まで真っ赤にして、逃げるようにして大浴場へ入って行ったのだった。

「あぁ…行っちゃった!」

「顔まで真っ赤にして、可愛いわねホント」

「ね!…大浴場に逃げても、袋のネズミなのにね」

アタシとアンジュはニヤリと笑いながら、大浴場への扉を開いた。



愛のしるし
(あの時のたまごの顔ったら…!思い出しただけでもっと意地悪したくなっちゃう!)
(女って…怖ェ〜…!!)

***あとがき

たまごちゃんはみんなから愛されているんです。
イリアやアンジュから見れば可愛くて可愛くて、ちょっといたずら心が芽生えちゃっただけなんです。

とこたん。
 
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