Resonance

□08
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***スパーダ視点



青い空の下。

隣同士に並んで座っていると、タマゴがオレの肩に頭を預けてきた。

「(おいおいマジかよ…!タマゴがオレにくっついて…っ)」

ドクドクと心臓が騒いでいる。

もうどれくらいの時間、この状態で固まっちまってるんだろうか。

ナーオスはもうとっくに見えなくなっており、見渡す限りの大海原が辺りには広がっていた。

「(海を眺めながら肩を寄せ合うなんざ…最高のデートじゃねェか…!)」

『…すー…』

まぁ、タマゴはすっかり寝ちまってるけどな。

「(つーかさっきオレ、"抱き締めちまうかも"っつったよな?それでもくっついて来たってことは…抱き締めても良いってことだよな…?)」

オレはそっとタマゴの肩に腕を回し、タマゴの身体を自身の方へと軽く引き寄せた。

おかげでさっきよりもタマゴが近い。

「(い、いいにおいだな…もっと…って!やめろ、タマゴは今病人なんだぞ…!)」

オレは自分にそう言い聞かせ、頭を横に振った。

「…」

…レグヌムで商店主の屋敷に向かう途中から、タマゴの様子が気になっていた。

何かを恐れているような、怯えているような。

オレがどうかしたのかと聞いても何でもないと言う。

ナーオスで夜に大聖堂デート(?)をした時もそうだったが、タマゴは何か悩んでいることがあっても人に言わない。

ひょっとすると、オレに言わねェだけでアンジュ達には言ってる可能性もあるが…

オレが頼りないから、話してくれないのだろうか。

「…」

オレはちらりと横目でタマゴを見遣った。

『すー…すー…』

オレの肩に頭を預けて呑気な寝顔を晒してやがる。

「(タマゴの家でオレがしたこと忘れたのか?)」

ハァ…無防備過ぎて不安になる。

こんなだからハスタの野郎にもセクハラされるんだろうがよ。

『すぅ…』

「…」

よく見れば先程よりも随分顔色が良くなったようだ。

「…良かった」

タマゴの顔に掛かる髪を空いた方の指で掬えば、タマゴはピクッと身体を揺らした。

起こしちまったかな。

『…ん…?』

タマゴがゆっくりと目を覚ます。

オレは慌ててタマゴの肩から腕を離したのだった。



***スパーダ視点終了



『…ん…』

ふと目を覚ますと、スパーダの顔が至近距離にあって驚いた。

『あれ…?ごめん、いつの間にか寝てたみたい』

スパーダから身体を離して彼を見上げると、彼はにっこりと笑顔を返してくれた。

「あぁ、おはようタマゴクン。よく眠れたみたいで何より」

『な、なんか変だよスパーダ…?』

「オレのことはいいんだよ!それよりもう顔色も良くなったみてーだし、ひとまず安心だな」

スパーダにそう言われて私はハッとする。

そっか、私さっきまで気分悪かったんだっけ。

でももう平気だ、眠ったおかげかすっきりした。

『えへへ、もう大丈夫。ありがとねスパーダ!』

身体を離してそう言うと、スパーダは あァ、と頷いてくれた。
 
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