Resonance
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***スパーダ視点
青い空の下。
隣同士に並んで座っていると、タマゴがオレの肩に頭を預けてきた。
「(おいおいマジかよ…!タマゴがオレにくっついて…っ)」
ドクドクと心臓が騒いでいる。
もうどれくらいの時間、この状態で固まっちまってるんだろうか。
ナーオスはもうとっくに見えなくなっており、見渡す限りの大海原が辺りには広がっていた。
「(海を眺めながら肩を寄せ合うなんざ…最高のデートじゃねェか…!)」
『…すー…』
まぁ、タマゴはすっかり寝ちまってるけどな。
「(つーかさっきオレ、"抱き締めちまうかも"っつったよな?それでもくっついて来たってことは…抱き締めても良いってことだよな…?)」
オレはそっとタマゴの肩に腕を回し、タマゴの身体を自身の方へと軽く引き寄せた。
おかげでさっきよりもタマゴが近い。
「(い、いいにおいだな…もっと…って!やめろ、タマゴは今病人なんだぞ…!)」
オレは自分にそう言い聞かせ、頭を横に振った。
「…」
…レグヌムで商店主の屋敷に向かう途中から、タマゴの様子が気になっていた。
何かを恐れているような、怯えているような。
オレがどうかしたのかと聞いても何でもないと言う。
ナーオスで夜に大聖堂デート(?)をした時もそうだったが、タマゴは何か悩んでいることがあっても人に言わない。
ひょっとすると、オレに言わねェだけでアンジュ達には言ってる可能性もあるが…
オレが頼りないから、話してくれないのだろうか。
「…」
オレはちらりと横目でタマゴを見遣った。
『すー…すー…』
オレの肩に頭を預けて呑気な寝顔を晒してやがる。
「(タマゴの家でオレがしたこと忘れたのか?)」
ハァ…無防備過ぎて不安になる。
こんなだからハスタの野郎にもセクハラされるんだろうがよ。
『すぅ…』
「…」
よく見れば先程よりも随分顔色が良くなったようだ。
「…良かった」
タマゴの顔に掛かる髪を空いた方の指で掬えば、タマゴはピクッと身体を揺らした。
起こしちまったかな。
『…ん…?』
タマゴがゆっくりと目を覚ます。
オレは慌ててタマゴの肩から腕を離したのだった。
***スパーダ視点終了
『…ん…』
ふと目を覚ますと、スパーダの顔が至近距離にあって驚いた。
『あれ…?ごめん、いつの間にか寝てたみたい』
スパーダから身体を離して彼を見上げると、彼はにっこりと笑顔を返してくれた。
「あぁ、おはようタマゴクン。よく眠れたみたいで何より」
『な、なんか変だよスパーダ…?』
「オレのことはいいんだよ!それよりもう顔色も良くなったみてーだし、ひとまず安心だな」
スパーダにそう言われて私はハッとする。
そっか、私さっきまで気分悪かったんだっけ。
でももう平気だ、眠ったおかげかすっきりした。
『えへへ、もう大丈夫。ありがとねスパーダ!』
身体を離してそう言うと、スパーダは あァ、と頷いてくれた。