Best Friends
□07
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『謙也』
放課後、今日は部活はなし。
スクールバッグを背負う謙也に私は声を掛ける。
「なんや?100円玉でも拾うたか?」
『そのへんのがきんちょと一緒にすんなや!』
コホンと咳払いをして私は謙也に問う。
『実は、聞きたいことがあるんやけど…』
「ん?」
『この時間の銀さんの居場所、知らん?』
予想外の質問に驚いたのか、謙也は目を丸くしとった。
「この時間やったら…学校裏の滝で修行しとるんちゃう?てか、なんで銀?」
『よぉ聞いてくれたな!それが実はこの前…』
***回想
『ヤーレンソーランソーラン…♪』
ヒラゼン先輩に頼まれて、タオルを取りに部室へと走っていた時。
『ソーランソーラン ハイッハイ!!』
不注意のせいで、足元に落ちてたバナナの皮に気付かんと…
ズルッ
『あべしッ!!』
ドシャアァァと、それはもう勢い良く滑って転んだんや。
『…っ誰やねんこんなとこにバナナの皮ほかしたのん!…った…』
思わずバナナの皮に向かって怒鳴るも、ピリッとした感覚によって意識を足元に戻される。
『あぁもう…ツイてへんわ…』
そんな時、突然目の前に影が射して…
『?』
手が差し出されたんや。
顔を上げるとそこにおったんは…
『銀さん…!!』
手を差し出されたことに感動しとったら、銀さんはおもむろにハンカチをポケットから取り出す。
『…?』
「ゆではん、怪我してはるわ」
ゆっくりと出血箇所にハンカチを当てて止血してくれた。
『えっ…ちょ、えぇよそんなん!放っといたらなおるし、ハンカチ汚れてまうで!』
「えぇんや。とりあえずこれ当てときぃ」
もう一枚ポケットからハンカチを取り出し、足に巻いてくれた。
『銀さん…おおきに…!』
「ムン」
ほんでそのまま私をおぶって、部室まで運んでくれたんや…。
***回想終了
「なんや銀、めっちゃ男前やないか!」
『せやろせやろ!で、今日そのお礼をしたくて探しとってん!』
「なるほどなぁ」
思い返しただけで男前やわぁ銀さん!
はぁ、はよお礼した「俺も行ってえぇか?」
『…え?』