テニプリ
□ヘリクツカレシ
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『今日はおおきにな、日吉くん!』
夕日が落ち始めてきた頃。
たまご先輩は俺の自宅の玄関にて、ぺこりと頭を下げる。
『すっかり体調も良ぅなったし、数学もちょっと進んだし!ほんまに助かったわぁ』
「あなたが体調崩さなかったらもっと進んでましたけどね」
『おっしゃるとおりです…』
しゅんとするしかないであろうたまご先輩。
まぁ俺がアイスを与えすぎたせいでもあるから、この件はもう触れないでおこう。
『でもな、私身体壊してよかったって思ってんねん』
少し視線を外し気味に言うたまご先輩。
「体調崩してよかったなんて不謹慎な…」
『あんな、だってな…』
言ってもじもじとし始めるたまご先輩。
『日吉くんの部屋で日吉くんのベッドで日吉くんにほっぺつつかれて日吉くんに見つめられて私あのまま息引き取ってもえぇって思ったわ』
「物騒なこと考えないでください」
だって日吉くんがーとか言いながら頬を赤く染める先輩。
『ほな、私はそろそろ帰るわな!また来さして!』
この至近距離で大きく手を振って、たまご先輩が俺に背を向ける。
「たまご先輩」
俺はたまご先輩の腕を掴んで、玄関に連れ戻し…
『!』
軽くキスをした。
『ひ、ひよひよひよよ、よしよしくん!?』
「誰ですかよしよしくんって」
『だ、だってびっくりして…!』
顔を真っ赤にさせるたまご先輩。
少し意地悪をしただけのつもりだった。
『日吉くんから触れられるの、珍しいから』
その言葉を聞くなり、俺は突然恥ずかしくなって顔を背けた。
あなたがこうさせたくせに
(日吉くんもっかい!)
(なんのことですか)
***あとがき
お題配布サイトのTOY様より。
このお題を見た瞬間、日吉の顔が思い浮かび、速攻で書き上げました。
え?この二人の関係?
た、タイトル通りですが何かっ?
分かりにくいとか聞こえませんが何かっ?