休憩所
□カオスなファッションショー
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学校中の空気がいつもより華やいでいるのは、気のせいではないだろう。
文化祭
それは、年に一度のお祭りだった――
「―――というわけでお前ら、何か意見があったらどんどん言え」
『ちょっと待て、今いろいろとんだ』
「クラスでも何かやるんやけど、それとは関係なしに部活でもやるんや」
「だから、テニス部で出し物をやるから意見を出してくださいってことですよ」
『あの短い文章でよくそこまでわかったなっ?!』
『祭りってことしか伝わらなかった;』
「気にしたら負けやww」
「おい、メタな発言してんじゃねぇよ。
とりあえず何か言え…………日吉」
「職権乱用って知ってますか?」
文句を言いつつもちゃんと考える日吉。
「そうですね、やはりここはお化け屋敷がいいと思います(キラキラ」
「なるほど、お前に聞いた俺様がバカだった」
『若に聞いたら答えなんて決まっているだろ;』
目を輝かせて生き生きとしていた日吉だが、案が通らないとわかった瞬間、少ししょぼんとなった気がしなくもない。
「翼はどうだ?」
まともな案が出るとふんだのだろう。
跡部は期待を込めた眼差しで翼を見たが、大きな誤算があった。
『お化け屋敷に十票』
「…………;」
『…聞く順番を間違えたな;』
日吉LOVEの翼が支持しないわけがない。
跡部がショボンとしているのはスルーしつつ、委員会でいない真白の分も他の意見を聞こうと頑張る菜月。
『他に意見のある奴はいるか?』
「はい!
喫茶店とかどうですか?」
『いいな!
どんなメニューにするんだ?』
やっと出た文化祭らしい意見にテンションが上がるのがわかる。
「ししゃもがいいと思います!」
『文化祭で出すメニューじゃないなっ?!』
予想どおりといえば予想どおりなのだが、さすがに許可は出せない。
そして、ここぞとばかりに意見を出しだす人物がいた。
「はいは〜い!
ジンギスカンがいいと思うC〜!」
「俺は納豆がいい!」
『よし、もうお前らは黙ってろ!』
「「え〜!!」」
ブーブー文句を言う二人も無視して先へ進める。
しかし、菜月の苦労はこれで終わらなかった。
「俺はな──」
『はい他〜!』
「最後まで聞いてっ?!Σ( ̄□ ̄;)」
『……まともなものにしろよ』
「俺の案は完璧やで!
売り上げが見込めるのはもちろん、お客さんを飽きさせることはないし人気間違いナシや!」
『へぇ……』
「名付けて、"メイド喫ss『アウト――っ!!』なんでや――っ?!」
『あなた一人で冥土喫茶をすればいいじゃない(ニッコリ』
『「字が違うっ?!」』
もはやグダグダになってきていた会議のドアを開いたのは、天使だった。
『遅れてすみません!;
何をすることになったんですか?』
『……いいかもしれないわね、メイド喫茶…(真剣』
『相変わらず過ぎて新鮮味ないわっ!!』
真白のメイド服姿を真面目に考え出した翼に驚きを通り越して呆れてしまう。
とりあえずまだ決まってない事を察した真白はならばと案を出した。