SHORT

□敵わない 認めない
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  if 夢主ちゃんと和解した後


 
黒子SIDE





「「なまえ!」」

「真似すんなよ、青峰!!」

「あ?こっちのセリフだ」

「はあ?」

「やんのかよ?」

「喧嘩しないでよ、2人共!」





青峰くんとなまえが仲直りしたあと、今までの時間を埋めるかのように毎日青峰くんはなまえに逢いにきた

練習はどうした

誠凛(僕ら)に勝つんじゃなかったのか

最初の頃は追い払おうとしていた先輩たちも、無理だと分かったらしく、今ではため息つきながら練習後その光景を見るのが日課にまでなってきた今日この頃
(最初からカントクだけは大歓迎してたけど)


数日前、桐皇の今吉?さんから連絡があった

『青峰そっち行かしてもらってるみたいで、迷惑かけてもうてスンマセン。謝った手前こんなん言うんもあれですけど、青峰、そっち行かれへん日は機嫌最悪やし、絶対練習参加せえへんのですわ。最近はなまえちゃんのためにちょっとは顔出すようにはなったんですけど。…まぁせやから、目瞑ったってください。ほんまスンマセンなぁ。ほなよろしゅう』

……とりあえず、世話くらい自分でしろ

僕たちを巻き込まないでほしい

それに声からして、絶対謝る気はなかった

絶対楽しんでるタイプだ


なまえを譲る気なんてさらさらないけど、まぁちょっとくらい許してやるか、なんて考える

話を聞くと、とても拒絶されたらしいし

まぁ僕が青峰くんの立場だったら学校分かった時点で転校してくるけど

なまえとずっと一緒にいないと無理だ

たぶん事情が分かった先輩たちもそう思ってるんだろう


けど1人だけ違った

火神くんだけはそれを許さない

たぶん、元々なまえは青峰くん大好きだったから(もちろん恋愛感情じゃない、かならず)、取られると思ってるんだろう

だから青峰くんが来るといつもつっかかる

もうそれも日常化してきたから僕たちも放っておくようになった

それに、なかなか2人の言い合いを見ているのは楽しいし

なまえは鈍感、ていうか言い方を変えるとバカだからそんな簡単に気づかない

まぁ気づきそうになった時は僕は全力で止めるけど


そんな赤と青の相談に乗るようになったのはつい最近

内容はもちろんなまえのことで、どうやったら振り向いてくれるか

2人共なまえと一緒でバカだから、僕もなまえが好きなことを忘れてるらしい

なまえから嫌われるようなことをするように言っても、なまえと一緒でバカだから(大切なことだからあえてのもう一度)、たぶん僕の考えていることに気付かず実行するだろう

でも、真剣に相談してきたりするのを見てたら、同じなまえを想うライバルとしてそれは最悪なことだから即効その考えは捨てた

それでもくっつける気なんてさらさらないけど


先輩や降旗くんたちに挨拶をして、いつも通り正門を出たところで待ってた青峰くんと僕と火神くんとなまえで久しぶりにマジバに寄ることにする

その途中も、火神くんと青峰くんは口喧嘩

もうそこでくっつけばいいんじゃないのか?

ほら、痴話喧嘩っていうし


あぁ、今日も平和だ





「俺チーズバーガーにするけど、なまえどうすんの?」

「夜ご飯もあるし、またシェイクだけにしようかな」

「じゃあ俺もそれにしよ」

「真似しないでよ、大輝くん」

「なまえと同じもん飲みてーし」

「なにそれ!」

「……俺もいる」

「あれ?大我って甘いものあんまり食べたりしないじゃん、無駄な脂肪がつくからって。いいの?」

「いっ、いいんだよ!」

「やめとけよ、火神クン」

「お前は黙ってろ、青峰!!」


「テツはなににする?」

「僕もシェイクにします」

「バニラ?」

「はい。なまえはストロベリーでしょう?」

「もちろん!」





また言い合いを始めた2人を放って、なまえは僕のところに来てくれた

あぁ、ホントにバカだろ

僕も2人を放ってレジに向かう

お金を出そうとするなまえを制して、僕がお金を出してあげれば困ったような顔をしながらも笑顔でお礼を言ってくれた

シェイク1杯で、こんな笑顔が見れる僕はたぶんものすごく幸せ者だ





「あ!!!テツ、お前抜けがけしてんじゃねーぞ!!!!」

「黒子、てめっ!!」

「そんなところだけ息ぴったりですね」

「コイツと息ぴったり?気持ち悪いこと言うんじゃねー!!」

「こっちのセリフだ!」

「2人共!ここお店の中なんだから騒いじゃダメでしょ!私たちもう買えたから、買うんなら早く買っておいでよ」

「…おう」「……あぁ、」





この2人をこんな扱いできて、こんなに従わせられるのはたぶん、この世界になまえだけだ

巨人2人が肩を落としながらレジに向かっていく後ろ姿は結構笑える

4人席で、もちろん僕はなまえの隣

あぁ、またなまえの前にどっちが座るかで喧嘩するんだろうな

確信犯ですけど、なにか?


案の定買ってきたと思ったら喧嘩し始めた
(なまえにさっき怒られたから若干小声で)

僕もどうたらこうたら言われてたけど気にしないでシェイク飲みながら無視

最終的にはじゃんけんして、なまえの前の席は火神くんに決まる

憐れ、青峰くん

決して僕が悪いんじゃないからそんなに睨まないでほしい

睨むなら隣の同じく目つき悪い人にしろ





「あ、結局シェイク買ったんだね、2人共!」

「クーポンあったし、買うって言ったろ」

「急に飲みたくなったんだよ」

「ちなみに何味?」

「「チョコ」」

「…火神が真似した」「…青峰が真似した」

「被せんなよ。つかお前がパクったんだろ」

「ていうかシェイクといえばバニラでしょう」

「チョコだろ」

「ストロベリーだよ」

「いや、なんで逆にチョコじゃねーの」

「………あ、仲間だと思ってるんですか、青峰くん?」

「肌の色か?色なのか?」

「違うんですか?」

「……」

「ていうか今日の晩飯なんだよ、なまえ?」

「!!」

「うーん、今日はなににしようかな」

「焼きそば食いてー」

「ならそうしよっか!」

「…羨ましすぎますね」

「テツのお母さん、お料理上手いじゃん!」

「そういう問題じゃありません」

「なまえの手料理、最初に食ったのは俺だよな?」

「は?」

「うん、そうだったね」

「昔おばさんと一緒にホットケーキ作ったんだよな!一緒に作ったのに、なぜかさつきのは黒こげだったし」

「あの頃から姉さんの才能は発揮されてたんだよ、うん」

「なまえはおばさんの血受け継いでんのに、なんでこう極端に分かれたんだろうな」

「ほら、私の胸がないのと一緒じゃない?」

「自分で言うなよ。ホントのことだけど」

「最後の傷ついた!」

「胸はたしかにねーけど、なまえのが可愛いに決まってんだろ、バカ」

「え、あ、ありがとう……」





火神くん、そんなにシェイク握り締めたら、と………遅かったみたいです
































敵わない
認めない


(え、なんで爆発!?)
(火神、おま ぐふうっ!!)
(イグナイトパス、バージョンマジバのトレー)














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