SHORT

□人肌が恋しいの
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「なまえさん!」

「、ぇ?」

「ごめんね、寝てたみたいだけどこんなところじゃ風邪ひきそうだったから」

「!あ、ごめん、私…!」

「首とか痛くないですか?」

「まだ大丈夫だよ!」





ぼんやりとした意識がはっきりとしてくる

たしか、キッチンに戻って、カウンターの前の椅子になんとなく座ってみて………そこから記憶がない

キッチンの壁に寄りかかりながら寝てたみたい

仮にも病人に心配される私は、どれだけまぬけなんだろう


どうやら食べ終わったみたいで、2人の手には空になったお皿

お礼を言いながら、それを流し台に置いてもらう





「ありがとうね」

「いえ、こちらこそありがとうございました、美味しかったです」

「それはよかった!」

「ごめん、なまえさん。ちょっと横になるね」

「!あ、うん!大丈夫?」

「大丈夫」

「日吉くんも、あれだったら私のベッドで寝る?横になる?やっぱりしんどいでしょ」

「「!!」」

「え、いっいいんですか?」

「?日吉くんが嫌じゃないんなら私はいいよ」

「…日吉!俺のベッド貸してあげるよ、そっちの方が大きいし」

「鳳のほうが大きいだろう?それに自分がいつも寝ているところのほうが安心できる」

「日吉はお客様なんだから遠慮しないでよ」

「今鳳は病人なんだからそんな気遣いはいい、無理するな」

「それを言ったら日吉も病人なんだから」

「なら2人で客間で寝たらどうかな?お客さん用のお布団大きかった筈だし!」

「え、」「は、」

「いやそれなら解決かなぁって……。ダメだったかな?」

「…大丈夫です」「…ならそうしよっか」

「!じゃあお布団すぐひいてくるね!」





ちょっと黙り込んじゃった2人

もしかして吐きそうなのかな

私は客間に駆け足で向かってお布団をひいた

さすがにひっついてたらいくら仲がよくても嫌だよね

ひき終わって、ちょうどいいタイミングに部屋に入ってくる

2人は私にお礼を言ったあとお布団に寝転んで少し厚手の羽毛布団を肩あたりまで被った





「じゃあおやすみなさい、なにかあったら呼んでね」

「なまえさん、ここにいてください」

「え?」

「俺が眠るまででいいんです、…いてくれませんか?」

「…もちろんいいよ」

「なまえさん、手繋いでもいい?」

「?うん」

「俺も繋ぎたいです」

「じゃあ日吉くんは左手ね」

「……おやすみなさい、なまえさん」

「おやすみなさい…です」

「うん、おやすみ」










































人肌が恋しいの

(ただい……あらあら)













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