SHORT

□夢路の旅へ
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みんなは、私たちが帰ってから数分で来た

家が正反対なのに1番来るのが早かった真くん

あれにはちょっとビックリしたかな


それから今日の晩御飯の用意をしてから勉強タイムに入る

みんながどれだけ食べるか分かんないからとりあえずハヤシライスを作ってみた

敦くんもいるしデザートは頑張ってみたつもり

喜んでくれるかな?





「…ねぇなまえ、今何を考えてる?」

「!!え、あ、」

「今はこの問題に集中だ」

「うっうん!」





今は征くんに勉強を教えてもらってる

みんなも教えてるって言ってくれたんだけど、征くんの鋏シャキシャキしたら黙ってた

目が笑ってなかった気がする





「…これでどう、かな?」

「正解だ。なまえはやっぱりやればできる子だね」

「ありがとう、征くん!」


「あ"ー、分かるか、んなもん!!!」

「これ小学校の範囲ですよ?」

「なぜ分からないのだよこの問題が!!?」

「分っかんねーよ!!!!」





それで、後のみんなは大輝くん担当

そのうち、涼くんと敦くんはあっちでテレビを見てケラケラ笑っていらっしゃる

諦めちゃだめだよ


ほら、姉さんも入ろうとしない





「よし、じゃあこの問題を解いたら休憩にしようか」

「!やった!」

「そんなに勉強は嫌いかい?」

「嫌いです」

「フッ、そうか。ほら、ラスト1問だ」

「うん!」





飴と鞭を上手く使うなあって思った

解けた後に見せてくれる微笑みはとっても綺麗

ホントにパーフェクトだ





「解けた!」

「正解。お疲れさま」

「ホント征くん教え方上手いね!私が分かるなんて感動だよ」

「なまえは理解するのに時間が少し人よりかかるだけで、応用力は充分にある」

「そんなの初めて言われた」

「じゃあ他のやつらはちゃんとなまえを見てないだけだ」

「あっありがとう……!」





征くんが真剣な顔で言うから照れる


そんな時キッチンの方からオーブンのチンッて音が聞こえた

出来上がったらしい





「あ、征くん、夜ご飯できたみたいだから用意してくるね!みんなをテーブルに座らしておいてくれるかな?」

「分かったよ」





キッチンに行くと、オーブンから甘い匂いがした

開けてみると、見る限りは失敗してないシフォンケーキ

即行で作ったから心配だったけど良かった





「あ、ケーキだ!」

「敦くん!糖分摂取がてらに、ね」

「すっごくいい匂いする」

「ホント?良かった!」

「みょうじちんって料理上手いよね〜」

「人並みだって!あ、ハヤシライスよそうから、あっちまで持って行くの手伝ってくれる?」

「いいよ〜」





ご飯とハヤシライスをよそって、敦くんが持ってくれてるお盆に置いていく

3つ置いたところで、4つ目から私が持って行くお盆に置こうとしたら怒られた

これぐらい大丈夫!って言いながらそれも自分のお盆に

結局、私が持って行こうとしてたお盆も敦くんが持ってくれて、私はスプーン持ち係

なんだかすごく悪い気がする





「ありがとう、敦くん!」

「女の子なんだから無理しちゃだめだよ」

「これくらい部活してるから大丈夫なのに」

「もうちょっと俺的に頼ってほしいし」

「充分頼ってるよ?」

「いつも赤ちんとか黒ちんばっかなんだもん」

「……あー、それはあるかも。じゃあ次からは敦くんにも頼るね!」

「うん!」


「あ、ハヤシライスですね」

「めちゃ美味しそうッス!!」

「おかわりはあるよ!あ、あとデザートにはシフォンケーキも焼いてみました!」

「それは楽しみなのだよ」





それからみんなでハヤシライスを食べた

みんないっぱいおかわりしてくれたり、褒めてくれたり、無意識に笑顔になる


途中、シフォンケーキの取り合いになったりした時はすごく嬉しかった

皿洗いとかはみんなで分担して片付けたんだけど、姉さんと涼くんがお皿割りそうになった時はビックリしちゃって、私まで落としそうになる

涼くんはその後征くんに怖い笑顔で怒られてた


それからみんなでまた一緒に布団引いて、枕投げ大会

みんな力が強くて、枕が破けるかと思って何回もヒヤヒヤした


みんなで暴れて疲れたから、ひいた布団に倒れ込む

征くんだけは疲れてないみたいだ





「あー、疲れた!」

「ミドチン、3Pシュートみたいに投げんのズルい」

「むっくんの身長もズルいよ!」

「でも征くん怖い。当てようとしたらいないんだもん」

「投げようとするのなんてすぐ分かるからな」

「みんなズルいわけだ、結局」

「まあそれが結論だな」

「部活並みに疲れたッスよ!!青峰っちとかの枕、当たったら骨折しそうだから本気で避けないとダメだし!」

「こういう時に僕は便利です」

「黒子っちもいきなり現れて、イグナイトパスバージョン枕を顔面に当てないで!?あれクソ痛かったんスよ!!?」

「この枕は加速する」

「そのジョーク超いらない!!」





みんなの声を聞いてるとだんだん眠たくなってきた

瞼が重くなってくる

みんなの声は聞こえるけどなにを言ってるかは分かんない

ただすごく、楽しい夢が見れそうだなって思った


























夢路の旅へ

(なまえの寝顔………)
(おいさつき、カメラ!)








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