SHORT

□夢路の旅へ
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「ねぇ!今日勉強会しようよ!!」





始まりは姉さんのこの言葉だった


部活が終わって顧問の先生に報告してからいつも通り正門に行くと、今日は珍しく男バスレギュラーのみんながいた

いつもは大輝くんとテツくんと姉さんだけなのに





「は?」

「なんなのだよ、いきなり」

「みんな、今日の小テスト何点だった?」

「54点ッス!」

「100点だ」

「85だったかな」

「73でした」

「97なのだよ」

「大ちゃんとなまえは?」

「…………9点」

「はぁ、マジかよ!?4点差で負けた!!!」

「これが理由1つ目で、」





あ、やばい、泣きそう

公開処刑か





「2つ目は、今日お母さんたち、明日結婚記念日で、旅行行ってるの!だから2人だけじゃ寂しいなって」

「ホントおばさん達仲いいな」

「そうなのかな?ほら、それに泊まっていったらいいと思うんだ!たぶんみんなの布団ならあると思うし!」

「え、本気で言ってるの、姉さん?」

「本気の本気!」

「たしかにさっちんとみょうじちんの家泊まってみたい」

「俺も行ってみたいッス!!」

「しっ仕方ないから行ってやるのだよ……!」

「行きます、ていうか行かせてください」

「楽しそうだね。女子バスケ部にもなまえの教育は任されていたしちょうどいいかな」

「え、私それ聞いてない!!」

「勉強はめんどくせーけどなまえが作った晩飯食えそうだし行く」

「じゃあ決まり!」





私の意見は無視らしいです

証拠はあの屈託のない笑顔


それにみんなノリ気みたいだし

私は思わずため息をつく





「あ、ため息ついちゃだめッスよ!幸せ逃げちゃうじゃないスか!!よし、俺が吸っ「ラリアット!!」へぐっ!」

「わぁ、綺麗なラリアットだ〜」

「こんなことをおまえに言うのは癪だが、ナイスだ青峰」

「ナイスラリアット、略してナイットです、青峰くん」

「扱い酷い!!!」

「つかテツ、無理矢理略すな」

「じゃあみんな、荷物を持って家に来てね!寝間着とか貸してあげたいけど身長的に無理があるし」

「大輝くんはこのまま家来る?」

「?なんで峰ちんはこのまま家行けるの〜?」

「大輝くん、よく家に泊まるからセット置きっぱなしなんだ!」

「よし青峰、一回この鋏に刺されてみようか」

「なんでだよ!!!」





なんだか今日は楽しくなりそうだ









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