SHORT

□恋は盲目なんて言うけれど
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練習中はとりあえずすごかった

なにがって?そんなのアピールに決まってる

いつもより声も出てたし、とりあえず元気があった。…というよりイキイキしてた

おい2軍、いつもはそんなに笑顔じゃないだろ

黄瀬くんも笑顔でなまえさんを見ては、手を振って赤司くんに怒られてた

青峰くんは事あることにチラ見。なにかあったらチラ見

数えてたけど途中で諦めた

たまにそんな青峰くんを見ながら笑ってる桃井さん

青峰くんは分かりやすい

皆分かったみたいだ



そんな感じで休憩時間

とりあえず修羅場

黄瀬くんと青峰くんにサンドされてるなまえさん

見てるだけでむさ苦しい光景だ(間のなまえさんは別)

オロオロしてるなまえさんもなんか可愛い

話しかけたいのは話しかけたいけど2人の修羅場に巻き込まれたくないし、見てて楽しいから別にいいか

皆僕と同意見なのか遠くからそれをただ見てるだけ


なんかあそこだけ空気が違う気がする





「なまえ、どうだった?」

「涼くんがハマった意味が分かった気がする!皆とっても楽しそうだったもん!」





明日隠れて見に来てみてください、まるで別人ですから





「俺のシュートは…?」

「私、バスケのことはあんまり分かんないんですけど、スゴイなって単純に感動しちゃいました!」

「そ、そそそうか」





あれは誰だ

ホントにうちのエースなのか

あんなに乙女とか僕聞いてない

顔を赤くするな、頬を掻くな、顔を反らすな

約1時間前の自分連れてきて殴ってもらえ

……あ、ダメだ、1時間前の青峰くんもきっとなまえさんに一目惚れして乙女が増えるだけだ


ちょっ、緑間くん、うぷうぷ言いながらトイレに走ろうとするな

あと桃井さんはカメラで撮るな。…いややっぱり現像して僕にください





「…青峰っち、いつも休憩時間は黒子っちと話してるし、黒子っちの所行ったらどうスか?」

「お前こそファンのとこいっつも行ってんじゃねーか。ほら行け行け。つか俺の行動に口出すんじゃねー」

「最後の言葉そのままお返しするッス」

「あ"ぁ?」

「ちょっ、喧嘩は良くないよ……!」

「そうだな」「そうッスね」





ここまで来ると単純としか言いようがない


黄瀬くんはまだしも、一目惚れすることだけでもビックリしたのに、あのバスケバカで女なんて胸が命とか言ってるバカ(大事な単語だから敢えての2回リピート)がこんなに超ピュアなアタックするなんてビックリ超えてる

青峰くんがピュアだったら世の中から鬼畜とかそういう単語が全て意味を為さなくなってしまう

………なんだか僕も緑間くんのがうつったらしい。無性にトイレに走りたい





「まさか峰ちんがなまえちん好きになるなんて分からなかったなぁ」

「逆に想像できたら怖いのだよ」

「大ちゃんの女の子の趣味がだいぶ行方不明だよね!なまえちゃんは普通に可愛いけどまさか大ちゃんが惚れちゃうなんて…。…またデータ書き直しとかないと!」

「一体何のデータですか、それ?」

「テツは知らなくていいことだよ」

「え、まさかの赤司くん絡みですか?なら記憶から抹消します」





こんな馬鹿な会話でさえ耳に入らないくらい2人はマイワールドに入ってるらしい

てかあの2人のあからさまな気持ちに気付かないなまえさんにある意味尊敬してしまう





「つかもううちに転校して来いよ、…そっそしたらいつでも練習見に来れるしさ」

「たしかにそれもいいかもしれませんね…」

「!!だろ!?」

「なまえっちは今の学校で満足してるから無理に勧誘したらダメッスよ、青峰っち。それに見学なら俺に言えばいつでも赤司っちに頼むんで言ってくれればいいよ
(そうはさせないッスよ?なまえっちには俺だけで十分ッス)」

「そんなんお前忙しいし悪いじゃねーか。あ、連絡先教えてくんね?俺コイツと違って暇だからいつでも大丈夫だしよ
(あ?自惚れてんじゃねーぞ、たくあん)」

「なまえっちは売れっ子モデルッスよ?そんな簡単に教えられないッス
(たくあん?!)」

「お前もモデルだろ。たしかお前のケータイ女子の番号しか入ってねーじゃねーか
(ざまぁ!!)」

「デマ言わないでくれないスか?!なまえっち!!俺女子はなまえっちしか登録してないッスからね!!?
(何してくれてるんスか!!!)」

「あ、うっうん」





先に言っとくけど、今の会話副音声がだだ漏れだ

言葉と顔が一致してないんだよ

なまえさんが見てないときに浮かべる笑みは相手に対しての嘲笑

なまえさんが見た瞬間とってもいい笑顔になる

切り替えの速さは神並だ

ホントなんだこの人たち

てか間にいるなまえさんに聞こえてないのはどういうことだ

魔法か?魔法なのか?





「……あ、もう練習始まる時間ですよ」

「なまえ、見とけよな!!」
「見ててほしいッス!」





なまえさん、そこ頷いたらダメだ

また煩くなるから






























恋は盲目なんて言うけれど、

(全くその通りだと思う)







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