SHORT

□とりあえず逃げます
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まずクッキー

なまえと一緒に、同じように作った筈なのに、なんで出てくんのはダークマターなんだよ


横でなまえの作ったクッキーを食べる赤司はガチめにイラついた

残りの5人はさつきのクッキー

鼻つまんで気合いで食べた

花畑が見えた気がしたのは気のせいだと願いてー


ここで黒子がダウン

白眼向いてピクピクしてる

ガチで毒だ、毒以上だ



第2ラウンドはケーキ

…違いがあるのか?反対に教えてくれ

横じゃあまた赤司が旨そうにチョコケーキ食ってる

そのドヤ顔やめろ


また俺たちは頑張った

次は大きな川が見えた気がする

次に緑間と紫原が倒れた

ピクピクどころか動かねー

どうやらさつきは俺たちを殺したいらしい



どうやら最後らしいマドレーヌ

もうツッコむ気力さえねー


次は何が見えるんだろうと思うのは好奇心からじゃなくて恐怖心からだと思う

あれ、なんで視界が歪んでんだろ

なぜか視界が真っ黒になった



























「あ、れ…………」





重てー瞼を開けると、視界にはなまえのドアップ

思わず叫んだ





「あ、起きた!大丈夫?気が付いたら皆倒れててビックリしたよ!」

「俺、気失ってたのか…?」

「うん」

「気分は最悪だけど、たぶん大丈夫だろ」

「なら良かった!」





……今気が付いたんだけどよ、頭の下に柔らかい感覚

俺、膝枕されてんじゃね?

生まれて初めてなまえの膝枕

こん時ばかりは初めてさつきに感謝した

もう立てるけど、そのまんま寝とく





「あ、大輝くん!!」

「ん?」

「あのね、初めてドーナツ作ったんだ!上手くできたか分からなかったから征くんに出せなかったの。大輝くん、味見してみてくれない?」

「毒味か」

「大輝くんだから頼めるんだよ!!……ダメ、かな?」

「…ハッ、いいぜ、食べてやる」

「いいの?!なら持ってくるね!」





そう言って、俺の頭を軽く持ち上げてからキッチンに走っていった

そんな後ろ姿を見送る

なんか俺にだけって言うのがすんげー嬉しかった

最近の俺はやっぱり気持ち悪い


辺りを見渡せば倒れてるほかの奴ら

さつきもテツを抱きしめながら寝てる

いやお前が原因だ


……あれ、1人足りなくね?

緑も紫も黄色も水色もいるし……、





「これだよ!」

「お、旨そうじゃん」

「食べてから言ってよね。はい!」

「ん、」





さっきのとは違ってめっちゃ旨かった

地獄から天国

ガチで旨い





「どう?」

「超旨いぜ」

「ホント?めっちゃ嬉しい!!」

「……なまえ、」

「え?」





笑顔のなまえに、無意識に頬に手を伸ばしてた

きょとんとしてるなまえ

思わず顔を近づける





「………青峰、何してるの?」

「!!うお!!!!」

「あ、征くん」





冷たい声

ゆっくりそちらに振り向く

めっちゃいい笑顔だった

でも目が笑ってない、目だけは笑ってない

ヤバい逃げてー

寒気する。痛いくらい寒気する





「とりあえず、……離れろよ」

「おおおお、おう……!!!!」

「なまえ、こっちにおいで?」

「?うん…!」

「………青峰は…、外出ようか」





鋏が泣きそうなくらい光った





























とりあえず逃げます

(あれ?青峰くんはどうしたんですか?)
(征くんからいきなり逃げてっちゃった)





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