SHORT

□accident!
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「熱ない?」

「大丈夫だよ!」




いま私は部屋にあったイスに腰掛けていて、先輩にドライヤーで髪を乾かしてもらっている

短髪だから自然乾燥でも大丈夫だと思うんだけどなぁ…




「なまえの髪、ええ匂いすんなぁ」

「変態オヤジみたい」

「うるさいわ!」

「…たぶん石鹸のおかげだよ」

「そないことないで?」

「ひやっ!?//」




私が前に向いて座っていると、後ろから先輩が首もとに顔をうずくめてきた

思わず変な声がでる




「ちょっ、先輩!なっ何してッ…!!//」

「ぁ、すまんすまん。つい」

「ついじゃない!//」




なんだこのプレイボーイは

普通"つい"で女の子の首に顔うずくめる?




「でもなぁ、同じ石鹸使うてるハズやのに全然香りちゃうねんなぁ」

「先輩の鼻がおかしいだけだよ!」

「なんやヒドない?」

「これが素なんだから仕方ないよ」

「…あん時のなまえのが可愛かったなぁ」

「そこ!普通に聞こえてるから!」

「はは、冗談やって!」




そこでまたドライヤーの音が再開する

話してたから消してくれてたみたい


そして少しの間ドライヤーの音しか聞こえなかった




「…なまえ」

「うん?」

「あんな辛いこと話してくれておおきにな?」

「…ううん、私は信じたいって思えたから話したの」

「俺らなまえに信じてもらってないんかってホンマに悩んだんや。…だから、話してくれた時はホンマに嬉しかってん」

「先輩……」

「まだ信じてもらわれへんかもしらへん。でも絶対信じてもらえるようなるから、絶対信じさすから」

「…バカぁっ!」

「うおっ、」




私は後ろに座っていた先輩に思いっきり抱きつく

油断してたのか、2人して後ろに倒れて、私が押し倒したみたいになってるけど今はそんなどころじゃない




「もう信じてるッ…!!私はもう信じてる…!!!だから、だからそんなに悲しそうな顔しないで………?」

「ぇ?俺……」

「私、四天宝寺が大好き。まだそんな日数たってないけど大好きなの!
優しいけどちょっと怖い蔵先輩、いつも笑顔の謙也先輩、ちょっと変わってるけど人想いな小春先輩。…ほかにもたくさんいい人がいる四天宝寺が大好きなの!!」

「なまえ……」


「先輩こそ私を信じてよッ…!!」

「!俺は信じてる以上に…!!」



「…いいとこ悪いねんけど、ここ相部屋なん分かってます?お二人さん」



「「うわっ!!」」




私たちは急に聞こえた声に、とてもビックリする

思わず声のした方を見れば、そこには口の端をピクピクさせてる謙也先輩がいた




「とりあえずなまえはどき」

「「…」」

「!ぁっ、ごめんッ!//」

「すまん!//」


「(イラつく俺は悪ないハズや…)」






accident!

(てか"優しいけどちょっと怖い"ってどない意味なん、なまえ?)
((その笑顔だよコノヤロー…!!))



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