SHORT

□キミは、
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「今日はよろしくお願いしますっ!」

「えぇ、今日は楽しみましょうね」

「はい!」




水族館巡り当日

なまえは笑顔で佐久間の母にあいさつをする

その笑顔に、佐久間の母はつい笑顔になった




「じゃあ俺たちはペンギンさん見てくる!」

「あら、また行くの?じゃあ母さんはここで待ってるわね」

「うん!行こうぜ、なまえ!」

「はーい」


「まぁまぁ…」




手を繋いで走っていく2人を見ながら、微笑ましそうに見つめる

そしてもしかしたら、と考えながらつい顔を赤らめさせた







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「わぁ!ペンギンさんがいっぱいだ!」

「可愛いだろ?」

「うんっ」




ペンギンが泳ぎ回る水槽にへばりつきながら2人はペンギンを見つめる

その光景だけを見れば、微笑ましい反面少しおかしいだろう




「俺的にはあのペン美が好きなんだが…」

「さすがにまだ誰か分かんないや」

「分かりやすいと思うんだけどな…」

「いやいや!」

「…ぁ、タッチコーナーがあるぞ!」

「行こう、触ろう、タッチしよう!」

「もちろんだ!!」




そのコーナーにスゴい勢いで走っていくなまえたち

そして、よちよちと歩いているペンギンをじっと見つめた

なまえは初めて触るペンギンに、少し不安そうにゆっくり触れた

しかし触れてみると意外にも触り心地が良く、すぐに笑顔になり、抱きついたりした




「もっふもふだったねぇ…!」

「久しぶりのペンギンさん!!」

「これはホントにいいね」

「クセになるだろ?!」

「うん!!!」




ペンギンタッチコーナーを充分に満喫した頃にはいつのまにか日が暮れていた

2人は、ペンギンの水槽が見れる少し離れたベンチに腰掛けた

視線は水槽に向けたままだ




「…あぁー、なまえといたら時間があっというまだな」

「ホントにね…。いつのまにか空が真っ赤っかだよ!」

「…なぁなまえ」

「どうしたの?」

「これからも来ようぜ!」

「ぇ、」

「毎年絶対、絶対来よう!おっきくなっても、おじいちゃんになっても絶対来よう!」

「次郎くん…」

「約束!」

「、うん!」































「起きろ、佐久間!」

「源、田……?」

「あぁ!授業中からずっと寝てたんだぞ?」

「………あぁ、今日はあの日だったな」

「?なんだ?」

「いや何でもない!部活行くか!」

「あっ、あぁ」





キミは、

(あの日の約束を覚えていますか?)



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