SHORT

□勘違いオチ。
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その日の夜だった

わたしは晩御飯を食べに行こうと、食堂までの長い廊下を歩いていた

すると廊下の外から話し声が聞こえた

話し声からすると男女か?

窓からふと月の光で姿が見えた




「!?」




わたしはあわてて窓の下にしゃがみこんだ


…なまえと晴矢だ

2人がどうしてここに……?


わたしは耳を澄ませた




「私は……が好き……!!

「俺も………てるぜ!」

「あ………とう」


壁を挟んでいるせいか、所々しか聞こえない

わたしはいつのまにか壁にへばりつくようにしてでも2人の話を聞こうとしていた

話はまだ続く




「告白……う…な?」

「おぉ!……なら………だ…」

「ほ……に?」




告白…?

たしかになまえはそう言ったよな…?


…あぁ馬鹿馬鹿しい

なまえは晴矢に告白したんだ

今の声のトーンなら晴矢もOKしたんだろう

アイツらなら十分あり得たじゃないか

分かっていたじゃないか

ならなぜこんなに涙が出そうになる?


わたしは急に食欲も失せ、食堂へ行く気力さえなくなった。
立ち上がり、壁を伝いながら元来た道を戻っていく

口からはもう乾いた笑い声しか出てこなかった






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