Lei lo vuole!

□20章目
1ページ/2ページ








「あー、綺麗だったなぁ」

「……今度なんか奢れや」

「はーい」




あれから先輩におぶられて私たちは宿舎に帰ってきた

なんでおぶられてたかなんて?

それがね、ここに帰ってくる途中に枝に躓いて足を捻挫しちゃったわけです

え?ドジ?知ってますよコンチクショー


…そしたら前を歩いてた先輩が無言で屈んでくれて、そのまま宿舎までおぶってきてくれたんですよ

そればかりか固定までしていただいて、


…やっぱ先輩はツンデレだ


って固定されながら呟いたら頭を叩かれた




「じゃあ晩ご飯作ってきますね」

「その足でムリやろ」

「でもマネージャーだし!」

「………」

「なんかあったら先輩呼ぶから!」

「…絶対やぞ」

「もちろん!」





そう言うと先輩は安心してくれたのか、また無言で部屋に歩いていった


…さぁ、晩ご飯の用意しにいくか


























-------
























「ふぅ…、やっとできましたね……」

「やっぱりこの量は慣れないね」





今日のメニューはハヤシライスとポテトサラダ

いやー、やっぱりスゴい量だね





「あら、今日はハヤシライスぅ?もっと豪華なもの作ってよねぇ!」

「…桜乃ちゃん、無視ですからね?」

「聞こえてるわよぉっ?!」

「聞こえるように言ったんだもん」

「アンタッ……!!!!」





次の瞬間、私は胸ぐらを掴まれてた

ソイツの顔は般若みたいで吹きそうになる

何を言ってくるのか興味が湧いたから振り払おうとした手を静かに下ろした





「ちょっと男子に好かれてるからって調子に乗ってんじゃないわよぉ?!
…でもそれもい・ま・だ・け。後もうちょっとしたらみぃんな姫華の虜よ!今はまだ照れてるだけなんだから!
姫華は皆から愛される、世界に1人のお姫様!ほかの女なんてただのモブ。存在意味はカスに等しいのよ!
分かったぁ?その小さい頭で考えられるかしらぁ?」





……まず、香水臭い

なんかワックスとかの匂いも混じってて吐き気がハンパないんだけど


それで、吐き気を耐えながら頑張って話を聞いた

は?皆に愛される?

氷帝に嫌われてる時点でアウトだよ

てかもし氷帝がお前を好きなったら10円くれたげる


ほかの女全員モブって、私はあれだけど桜乃ちゃんがいる時点でこれまたアウトだろ


それに氷帝時代、アンタ成績ベッタだったじゃん





「…頭大丈夫かぃ?」

「な"っ……!!?」

「アンタがお姫様?笑わせんなよ。そんな王国あったら一瞬で滅亡してるわ。てかついていく奴いんの?
あ、考えられる頭がないもんね。ごめん、難しかったかな?…いや謝る価値もないか」

「!コイツっ、」




パンッ




叩かれた

痛くないけど叩かれた

手の甲で叩くとかアンタどんだけお嬢様気どりなんだ、って笑える


視界の端に目を見開いてる桜乃ちゃんが見えた

あぁ、そんなに可愛いんだから悲しそうな顔しないで?


私は桜乃ちゃんに心配かけたくなくて、笑顔を見せる

大丈夫、全然痛くないから


でも発しようとしたその言葉は誰かの声に遮られた




「涙!!!!!!!!」

「あ、光…」





そこには皆がいた

四天宝寺、氷帝、青学、立海、皆いた


もうそんな時間だったかな?

私は気がついたら光の腕の中にいた

視界は四天宝寺のジャージの黄色でいっぱい




「叩かれたん?痛ない?大丈夫なん?」

「うん、大丈夫。痛くないよ」

「……一応冷やしに行き。その後は気にせんでええから今日は休み?」

「え、でも…」

「ええから」





なんだか光が怖かった

だからうんとしか言えなくて、私は驚きながらも頷いた

そして私の返答に満足したのか、光は私の頭を撫でた





「ちゃんと休むんやで?」

「うん!」




私は部屋まで帰った









次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ