Lei lo vuole!

□16章目
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「うーん、あともうちょっと砂糖を入れた方が………」

「なーにしてんだ?」

「うわぁ!」




私が合宿所に帰った後、昼間に思いついたスコーンの試作品を作ってみた

上手くできれば明日の朝だそうと思ってる


私が試作品を味見していると、急に声がかけられ、思わずスコーンを落としそうになった




「…幽霊見たような顔すんなよ」

「そんなの当たり前ですよ、ブン太先輩!だっていきなり現れたら誰だって…!」

「いや、つい甘い匂いに誘われて……」

「アリですか」

「何作ってんだよぃ」

「あー、これですか?カボチャのスコーンですよ」

「へぇ…、食ってもいい?」

「それまだ試作品…!」

「アドバイスしてやるよ…………、そうだな、もうちょいカボチャの量増やすか砂糖減らしてみ?カボチャ本来の甘みが砂糖に負けちまってる」

「あ、はい!」




それから先輩が隣にいることに少し緊張しながらも、先輩に言われたコトに気をつけながらもう一度作った

できあがると、私と先輩で半分こして食べてみる




「!美味しい」

「やっぱ俺の言うとおりだっただろぃ!」

「スゴいですよ、先輩!もしかして先輩も甘味作りするんですか?」

「おぉ、食べんの好きだからな。気が付いたらできるようになってたんだよ」

「…羨ましい限りです」

「涙も十分上手いぜぃ」

「えー」

「でもさ、これホントに旨いぜぃ、これ」

「なら明日の朝ご飯に出しても大丈夫ですよね…」

「は?朝飯?」

「?はい、美味しくできたら朝ご飯に出そうと思ってたんです」

「……」




そう言うと先輩は少し考え込んでるみたいだった

それから急に何かを思いついたように手をうった

…どうした?




「涙、そらだめだ」

「なんでですか?」

「美味しいけどまだ完成じゃあないからな、どうせだったら完成させてからにしようぜ」

「え「な、いいだろ?」あ、はい………」

「なら良かったぜぃ」

「はっ、はぁ…」





上手く丸め込まれた気もするけど、気のせいかな……?







純粋?そんな言葉、

((俺たちの辞書に))
((そんな文字はない))




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