Lei lo vuole!

□9章目
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「早くコートに行かなきゃ…!」




今日は皿の数が多くて少し遅くなっちゃった…!


食堂からコートまで全速力で走る

コートに通じる出口のある廊下に曲がった瞬間、誰かに腕を引っ張られた

そしてそのまま傾いた身体を壁に押し付けられ、痛さでつい顔を俯かせた




「いっ、た……」


「涙」


「ぇ」




呼ばれた声に、顔を上げれば、見えたのは不機嫌そうな若の顔だった




「若、どうしたn
「四天宝寺に話したのか?」
え……?」


「あれをアイツ等に話したのか?」


「あれ…?……あ、もしかして雛埜の……」


「あぁ」


「…話したよ、全部」


「なぜだ」


「なぜって…」


「涙の仲間は俺たちだけだ。ほかの奴らなんかいらない」


「若、何言って……!」


「お前には俺たちだけでいいだろ?」


「いっ意味わかんないよ若、!
四天宝寺の皆は新しい私の仲間だよ!?氷帝の皆も私の大切な仲間。けど四天宝寺の皆だって…!!」


「うるさい!!!」


「、!」


「俺たちはッ…、俺は涙をッ
「そこまでだ」
…部、長ッ……」




なにか若が叫ぼうとした瞬間、制止の声が聞こえた


声がしたそちらの方向を顔だけ向ければ、そこには景吾先輩がいた


先輩はゆっくりとこっちに歩いてきて、壁に縫いつけられていた私の腕を若の手から解放してくれた

そしてそのまま私の軽く腕を引き、景吾先輩に抱きつくような形になる




「涙、大丈夫か?」


「っうん」


「…日吉、お前は俺様についてきやがれ」


「…はい」




俯きながら景吾先輩についていった若


すれ違いざま顔を見れば
下唇を噛み、明らかに辛そうな顔をしてた



若をそんな顔にさせたのは一体誰?

そんなに追いつめたのは誰?



私は激しい頭痛に、その場に座り込む






痛い




痛い




頭が



心が



痛すぎるよ
















broken
壊れた

(嗚呼、)
(神様はこの少女を苦しめすぎる)




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