Lei lo vuole!

□9章目
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長太郎side




「涙、今日の味噌汁誰が作ったん?」


「私だよ!マズかったかな…?」


「ウマいに決まっとるやん!」


「!良かった…」




なんだ


なんだあの光景は


朝ご飯を食べに来てみればこうだ


俺たち氷帝はその場に固まる




涙が四天宝寺の奴らに笑いかけてる?


涙が四天宝寺の奴らを名前で呼んでる?



涙が……





アイツらを信じた?





「…イラつくなぁ」


「ホントそれだよね」


「…ナメやがって、アイツら……」




上から、
侑士先輩、ジロー先輩、部長


ほかの先輩たちも目つきが超怖い

(まぁ俺も相当だろうけど、)




でも日吉が1番危ない


今までは氷帝だからまだ許せれたらしい


けど今回は敵

ましてや四天宝寺


もう殺気全開


思わず冷や汗が出ちゃうぐらい




てかなに?


昨日までは何もなかったよね?


昨日のうちに涙を変える出来事が起こった?


それも涙の心を大きく動かすぐらい大きな出来事が?




…考えるだけで頭が痛くなってきた


涙が見たくてそちらに向けば、四天宝寺に笑いかけてる涙がいて、また目を背ける




立海の奴らもだいぶ顔がヤバい


(たしか)切原くんなんて目が真っ赤になりかけ


部長の幸村くんも、いつも浮かべている仮面みたいな笑顔もなくて、ただあの光景を睨んでる


立海なんかといつのまに交流しちゃったの?




あのマネージャーの竜崎?だっけ?


ソイツだけは正常かなって思ったけど、今の殺気立った目を見る限りその考えは間違いだったんだって気づかされる




青学も隠してはいるけど、確かに殺気は放ってる


…ホントに涙はどれだけ人をオトせばいいんだ




「景吾先輩たち!なに入り口で固まってるんですか!」


「…悪ぃ、いや何でもねェ」


「ほら!ご飯冷めちゃいますって!」


「おん」




涙が四天王寺の席から走ってきて、侑士先輩の背中を氷帝の席まで押していく


そうすれば、今まで深く刻まれていた眉間の皺がカンタンに消えていった先輩


単純すぎるよね


でも反対に四天王寺の奴らの顔はしかめ面に


…ざまぁみやがれっての




「長太郎はどっちにする?」


「!え?」


「もう、聞いてる!?」


「ぁ、ゴメン…」


「ご飯とパン、どっちにするの!?」


「パっ、パンでお願い!」


「次からはちゃんと聞いてね?」


「うん、!」




笑顔でキッチンに走っていく涙


なんか夫婦みたいだな…


口角が上がったのが分かる




「長太郎、ニヤけんのは分かるけどちょっとは抑えろ」


「!ぁすみません、宍戸さん…」




ホントにニヤける


ふと前を見れば、さっきと変わらず怖い顔をしてる日吉


…日吉怒らせるのだけは、ホントにダメだ


日吉だけは何をしでかすか分からない


今日無事に終わることを願ってるよ、涙……





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