Lei lo vuole!

□8章目
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「あ!涙姉ちゃんが帰ってきたで!」

「おぉ!おかえり、涙ちゃん!」

「…ちょい皆集まってくれ」

「?おん」




白石先輩の部屋に行けば、四天王寺の皆がいた

ホントに仲良いんだな


一氏先輩の一言で、皆が私のいた部屋の中央に集まってくれる

皆が座ってくれるので、私も慌てて座る




「どないしたの?」

「…話すことあるみたいやから話聞いたって」

「涙…?」




皆の視線が私に集まる

穴があきそう


…あぁ緊張する

でも言わなきゃいけない

言わなきゃいけないんだ




「…これからお話するのは私が氷帝に入学した頃のお話で、全て事実です――――






















「涙!同じクラスだといいね!」

「うん!」




私は幼稚園からの親友だった雛埜と一緒にこの氷帝中等部に受験した

とても大きくて、あの頃の私はホントにビックリしたのを覚えてる




「あ!同じクラスだよっ、ほら!」

「ホントだ!やったぁ!」




貼ってあったクラス表を前に2人で手を取り合って飛び跳ねる

そのまま手を繋ぎながらクラスに走る

クラスに入れば、黒板に自分の座席が書いてあった

見ると、私たちはだいぶ離れてるみたい




「離れちゃったね…」

「うん…、でもいっぱい話そうね!」

「もちろん!」




私は窓際で、席に座る

日がちょうどいいぐらいに当たるので睡くなりそうだな…




「隣の席だね、よろしく!俺は鳳長太郎!」

「私は公暁涙だよ、よろしくね!」




隣の席に座ってたのはフワフワしてそうな髪で、座ってても分かるぐらい長身

とても笑顔が可愛いと思う




「小等部にはいなかったよね?俺のことは長太郎って呼んで!」

「じゃあ私は涙でいいよ!」

「よろしく、涙!」




そしたらなんかちょっとキツそうな顔立ちをした男の子が前の席に座った

…話しかけずらいな




「ぁ、日吉!」

「知り合い?長太郎」

「小等部からの付き合いだよ。日吉、涙だよ!」

「日吉若だ」

「公暁涙だよ、よろしくね!」

「あぁ」




これが長太郎たちとの出逢い


それから私たちはいつも一緒にいるぐらい仲良くなる

クラスの皆とも、とっても仲良くなれた

けど雛埜は違う友達と話すようになって、あまり話さなくなった

でもホントに氷帝に入れてよかったて思ったんだ!


そんな充実したある日




「部活?」

「あぁ。涙は入っていないよな?」

「うん!でもどうしたの?」

「いまマネがいるんだよね。それで、下手な女子をいれるんだったら涙はどうだって宍戸さんが」




宍戸さんは長太郎繋がりで知り合った

髪がとても綺麗で、後ろ姿だけ見たら女の子みたいだ
(それ言ったら拳骨された)




「今日体験にでも来ない?」

「うーん…、じゃあそうしよっかな!」

「では跡部さんに言っておくな」

「ありがとう!」

「…ぁ、次移動教室だよ!早く行かないとあのハゲだから遅れたら鬱陶しいよ」

「そだね!用意しないt ッッ!」

「?どうしたの」

「いっ、いや何でもないッ…!ゴメン、さき行っててくれないかな?」

「あぁ…」




若たちが出て行ったのを見計らって、机に入れていた手を取り出す

その指は血が滴っていて、つい顔をしかめてしまう

そして机の中を覗けば、キラリと光るカッターの刃が見えた

私は慎重に取り出す


最近毎日のようにこんなことがある

今日みたいに机の中に刃物が入ってたり、靴箱に暴言の書かれた紙が入ってたり

私、何かしたかな…




キーンコーン カーンコーン




「やばっ…!」






だから気づかなかったんだ

私を悲しそうに、恨めしそうに睨むキミの視線なんて





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