Lei lo vuole!

□4章目
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赤也side_




俺が部屋で休憩してた時、急に扉が開いた

そちらを慌てて見ればそこには見知った銀髪と赤髪




「仁王先輩、丸井先輩!」

「赤也、腹が減ったなり」

「食堂行こうぜぃ」

「食堂スか?」

「あぁ!ほら行くぜぃ」

「はい!」

「幸村たちも誘いにいくぜよ」

「それ賛成!」




こんな感じで部屋から出た俺

そっからいろんな先輩の部屋を回って食堂に誘う

そろそろ夕食時で先輩たちもお腹が空いてたみたいで、一緒に行くみたいだ

結局全員で行くコトになった

俺たちが食堂に向かっていると後ろから俺たちを呼ぶ声が聞こえた

後ろを振り向けば、思わず『げ』と声を漏らしそうになったのを抑える

先輩らもいい顔をしていないのは明らかだ

いたのは氷帝マネージャー

たしか…




「愛沢…?」

「覚えててくれたのぉっ、赤也ぁ?」




思わず身震いする

覚えてたぜ、いろんな意味でな

俺の嫌いな話し方
妙に目立つ外見

正にミーハーの鏡じゃね?

氷帝もこんな奴マネージャーにするなんて頭狂っただろ

てか馴れ馴れしすぎ




「皆はどこに行くのぉ?」

「…食堂だよ」




部長の不機嫌な声

冷や汗ハンパねー

けど愛沢はそれにも気づかないのかまた猫なで声で俺たちに話しかける




「私も行っていいかなぁ?」

「!?」




は?コイツ何言って

俺が反対しようとする前にコイツは話し出す




「ありがとぉっ!」




いや何も言ってねぇだろーが!

愛沢は俺の腕に抱きつく

触ったところだけに鳥肌がたっていく

ガチでコイツ殴りてぇ…!!


俺が部長に目を向ければ、部長は諦めろ、と目線でいっている

…他人事だと思って


俺はコイツへの殺気を隠そうともせずに食堂に向かう

…あぁ、食堂早く着けよ







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食堂に着けば、肉のいい匂いが鼻腔をくすぐる

めっちゃいい匂いじゃねぇか…

そんな緩い鑑賞に浸っていると、透き通るような声が聞こえた

思わずそちらに向けば、そこにはさっきの開会式で一目惚れした人

綺麗な黒髪
怖いほど整っている顔
ジャージの上からでも分かる程綺麗なボディーライン

すべてが完璧だ


思わず見とれていると部長がその人の名前を呼んだ




「涙さん…」




公暁涙

これがこの人の名前だ


涙さんは愛沢の名前を呼ぶと、静かにこちらに歩いてきて愛沢に詰め寄り笑顔でものスゴい毒をはいた

その口から出たのを疑うほどの毒

俺たちは目を見開く

そんで涙さんはキッチンに戻りざま愛沢の耳元で何かを囁いたようだった

愛沢はその背中を忌々しそうに睨みつけている

けどすぐハッとしたようにこちらに目線を戻し、引きつっている笑顔をこちらに向ける




「ごっごめんねぇ?あの人あんな酷い性格なのぉ…」




酷いのはお前の性格だろ

涙さんはホントのコトを言っただけ

あの人カッコよすぎだろ…!!


俺は上がりかけた口角をムリヤリ抑える

てか今の会話的にこれから1週間涙さんの飯が食えんの?

天国じゃん!!


たった数十分で俺は麻薬に溺れたようにアナタに惚れた

今まで一目惚れなんて信じてなかった俺がここまで惚れるなんて数時間前の俺は思いもしなかっただろう

あぁ、俺のモノにしてぇ…









悪魔の笑み

(初めての涙さんの手料理は嬉しすぎて味が分からなかった)




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