Lei lo vuole!

□6章目
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「俺が呼んできたら入ってきてな」

「はいっ!」



私はあれから黒木先生に連れられ、ある教室の前に来た

教室の中からは笑い声や叫び声が聞こえる



ガラッ



「おら静かにせェ!!」



先生が入った事で余計に騒がしくなり始めた



『なぁ黒ちゃん、転校生来たってホンマ?!』

『すんごい美人やねやろ!?』

『見てのお楽しみや』



…すみません、私美人なんかじゃないです

期待なんてお願いだからしないで?



『ほな公暁、入ってきて!!』

「…よしっ、」



私は扉に手をかけ、ゆっくりと開ける

扉を開ければ、痛いぐらいに視線が刺さる

それに耐えながら私は黒木先生のいる教卓の所まで歩いていく



「公暁、自己紹介頼むわ」

「はいっ!私は東京から来ました、公暁涙です。大阪のことはあまりよく知らないので、また教えてくださると嬉しいです!」

「「…」」



無言が続く

なんだよ、期待外れだからってそんなに黙らなくてもいいじゃないか……

ほらそこ!コソコソ話しない!



「…なっ、なんなんこの子…」



その後に何が続く?
そんなにブサイクですか?
そんなに可愛想ですか?
言われなくても分かってんだよコノヤロー



「人形みたいでめっちゃ可愛いやん!!!」

「…へ?」

「モデルでもやっとるん?!」

「え、え…」

「おら、お前らちょい黙れ!公暁が困っとるやないか」

「あ、え…」



私がモデル…?

…あぁ、きっとお世辞だ

きっと私があまりにも可哀想だからだね



「…ぁ、光くんだ!」

「「光??!!」」



教室の後ろで目を見開きながらこちらをガン見している光くんを見つけた

つい名前を呼べば、クラスの皆が光くんの方を一斉に見た


…ちょいホラーだ






「あれ?財前の知り合いなん?」

「なっ、なんというか…」

「はァ。…俺たち、双子なんスわ、黒木先生」

「「……はぁぁぁあ??!!」」

「え、ちょ、お前双子なんかおったんか?!」

「おん、おったんスわ」




たしかに光くんみたいなカッコイい人と私みたいなのが双子なんておかしいですよね

知ってますからそんなに驚かないでください、泣きたくなります




「ほな自己紹介も終わったし体育の授業に…」

「は?!黒ちゃんの授業より今は公暁さんのが最優先や!1時間目は公暁さんへの質問タイムにしような!」

「は?!」

「ええ考えやん徳野!!俺も賛成!!」

「ウチも!!黒ちゃんの授業なんか受けたないわ!」

「“黒ちゃんの授業なんか”て何やねん!!」




…さすが関西人だ

東京じゃ聞き慣れないツッコミとかいろいろ飛び交ってる




「…もうええわ!勝手にせェや!!」



そう言って教室を飛び出して行った黒木先生

最後半分泣き声になってたけど大丈夫なのかな……




「ほな質問ターイム!!」

「あっ、はい…!」




…これはただの予感だけど、なにやら波乱の1時間になりそうだな






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