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あれから数時間後、どれだけ嫌がっても運命は変えられず、私は大阪にいた
あちらこちらから聞こえる少し聞き慣れない言葉が、大阪に来たんだと実感させる
電車の中で、急すぎて別れが言えなかった仲間たちに電話をかけた
そしたら皆に怒られたり、泣かれたりして、そりゃあもう困った
そして今、私はある家の前にいた
どうやらここがお母さん(?)たちの家らしい
お父さんとは数十分前に別れており、現在私1人です
…超心細い!
ピンポン押しちゃっていいのかな?!
人が出てきたら何て言えばいいわけ?!
私が頭を抱え悩みこんでいれば、急に開いた目の前のドア
「「…」」
そこには黒髪の男子がいた
耳には結構な数のピアス
少し寄せられた眉間のしわ
…わぁ美形!
…じゃなくて!
どうするんだよこの状況?!
しばらくの間沈黙が続いた
沈黙を破ったのは美形くんだった
「…アンタこんな時間に人んうちん前でなにしてるん」
「あはは…。えっと…、お母さんいますか…?」
第一印象はご大切に
(は…?)
(光、だr…)
((?))
(涙ーーーっ!!!!)
(ぐほぶっ!)
(母さん?!)