Lei lo vuole!

□1章目
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アナタside_





「は?今何て…?」

「だから…お父さん、転勤することになったんだ」

「はぁぁぁあ?!」




私、公暁 涙です

私がいつも通り家に帰ってきますと、家には仕事でいない筈のお父さんがいました

そしたら急にあんな馬鹿げたコトを言い出しやがr げふん、言い出しました




「私のエンジョイ氷帝生活は?!」

「転校先でまたエンジョイしなさい」




そう言って笑顔で親指を立ててくるお父さんにイラッときたから、
私はその親指を下に向けながら笑顔で言ってやった




「お前だけで行っとけ」

「涙も行くんだよ。ぁ、ちなみに四天宝寺中ね?」

「大阪なの?!」




四天宝寺といえば、関西で有名なテニスの名門校じゃない?!




「いつ行くの?!」

「ん〜…。今日の夜かな?」

「ナチュラルに言うなよ。てか荷物が少ないと思ったら……」




私は部屋を見渡す

リビングから見える範囲、大きい家具など以外見当たらなかった




「あともう1つ重大発表があるんだよね」

「…もう私、何言われても驚かないよ?」

「涙はお兄さんと暮らすからね」

「へぇー…………って、お兄ちゃん??!!」

「驚いたじゃないか」

「うるさい!!てか私にお兄ちゃんなんかいたの?!」

「双子のお兄さんがいるよ。ぁ、ちなみに母さんもいるから」

「お母さん?!」

「離婚した母さんだよ。本当は大阪でも涙と2人で暮らす予定だったんだけど、母さんに大阪で暮らすのバレて『アナタに涙は任せてられないわ!』って言われちゃってね」

「お父さん弱い!」

「父さんは会社の近くで1人暮らしするから、また遊びにおいで?」

「うん、軽いね」

「さぁ荷物をまとめておいで、出発だ」

「もう嫌だァァァア!!!!」




…やけくそでお父さんのお腹を思いっきり蹴ってしまった私は悪くないと思います









---







あれから数時間後、どれだけ嫌がっても運命は変えられず、私は大阪にいた

あちらこちらから聞こえる少し聞き慣れない言葉が、大阪に来たんだと実感させる

電車の中で、急すぎて別れが言えなかった仲間たちに電話をかけた

そしたら皆に怒られたり、泣かれたりして、そりゃあもう困った

そして今、私はある家の前にいた

どうやらここがお母さん(?)たちの家らしい

お父さんとは数十分前に別れており、現在私1人です


…超心細い!

ピンポン押しちゃっていいのかな?!

人が出てきたら何て言えばいいわけ?!

私が頭を抱え悩みこんでいれば、急に開いた目の前のドア




「「…」」




そこには黒髪の男子がいた

耳には結構な数のピアス

少し寄せられた眉間のしわ

…わぁ美形!

…じゃなくて!

どうするんだよこの状況?!

しばらくの間沈黙が続いた

沈黙を破ったのは美形くんだった




「…アンタこんな時間に人んうちん前でなにしてるん」

「あはは…。えっと…、お母さんいますか…?」






第一印象はご大切に

(は…?)
(光、だr…)
((?))
(涙ーーーっ!!!!)
(ぐほぶっ!)
(母さん?!)



 

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