ローダンセを貴方に

□参幕
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「あれ?ここどこだ………?」





気が付くと知らない所にいた

真っ黒な空に正反対すぎる真っ白な砂漠の中

そして空には大きな月が浮かんでる


倒れ込んでた身体を起こして、着流しについてた砂を払った





「たしかあれから部屋に帰って、そのまま着流しに着替えて寝て……………じゃあここは夢?」





夢にしてはリアルだな

私の指から流れ落ちていく時や踏み出す度に沈み込む砂の感覚も、風が頬に当たる感覚も、全てがリアルに感じる


…でもどうせなら探検してみよう

どうせ夢だし




「…よし、行くか」




ここで行かなかったら、私の名が廃るぜべいべー
































「なっ、何もない…!!!」






ずっと歩いた

めっちゃ歩いた

でも景色は全く変わらない

後ろを振り向けば延々と私の足跡が続いてる

さすがに気が狂いそう


でもそんな時、急に大きな霊圧がこちらにスゴいスピードで近付いてきたのが分かった

私は神然丸に手をか……





「…って今ないじゃん!!!」






そうだ、今着流しだ

夢なんだから、どうせなら持っとこうよ、私!!






「…テメェ誰だ……?」






現れたのは豹みたいな虚だった

明らかこっちを警戒心むき出しに睨んでる

この虚はものすごく流暢に言葉を話すなぁ






「あ、夢だもんね」


「スルーすんな!あと意味分かんねェよ!」


「あっ、虚にツッコまれた」


「ふざけてんのか?」






あ、こんなにノリがいい虚もいるんだね






「キミ、名前は?」


「お前こそ誰だ?霊圧的に死神だ、なんで死神がここにいんだよ?」


「夢なんだから仕方ない」


「は?」


「私は佐藤 瑞希!キミは?」


「誰がお前なんk「キミは?」ぐっ、グリムジョーだ」


「グリムジョーか、カッコいい名前だね」


「(脅しだ、完璧な脅しだ!!!)」


「ねぇグリムジョー、ホントここって何にもないね。逆にあるの?」


「ねェ。まぁそういう所だからな」


「でもとっても綺麗」


「ここが綺麗?」


「うん。だって無駄な物が全くないじゃん。あの月だって私たちが見てるのと一緒のかは知らないけど、私たちのよりとっても綺麗
…全てが完璧すぎるよ、ここは」


「…分からねェな」


「ならまだグリムジョーは子供なだけ」


「はァ?!」


「グリムジョーは1人なの?」


「…よく話変えんな。んなワケねェだろが、仲間がいるぜ」


「へぇ、」


「てかお前は俺を殺さねーのかよ?死神だろーが」


「殺されたいの?」


「あ?」


「冗談!うーんとね、」


「?」


「斬魂刀がないんだよね」


「…は?」


「だから、ないんだよ。それにもしあってもグリムジョーは斬らないよ。だっていい奴っぽいじゃん」


「…はっ、ははははッ!!!!」


「なに笑ってんだよ!!」


「はっはは!お前おかしいんじゃねーのか!?」


「私はおかしくないよ?!」


「十分おかしいっつの!!」


「よく言われるけど言うな!!!」






なんだ、泣くぞ?


…てかやべ、急に睡魔きた

私はグリムジョーに思いっきり抱きついた






「!うおっ!!」


「あ、意外に抱き心地がいい!」


「テメェ何しやがる!!?」


「眠たいからこのまま寝させて」


「ちょっ、離せって!!」


「おやすみー」


「おい!!」






グリムジョーの声は段々小さくなっていく

睡魔よ、強すぎるだろ





























 グリムジョーSIDE






「…おい」





応答なし。ほんとに寝たみてェだ

俺に抱きつきながら寝やがった


…正直言わなくても殺せる

それもカンタンに

この細い首を刈っ斬ってやればカンタンに死ぬだろーな


…でも俺はそれをしようとは思わない

自分でも分からねェ

睡魔のせいだ。コイツから匂う甘ったるい匂いのせいだ


もう考えることはやめて、俺も重力に従って瞼を下ろした





































「なぁなぁ、なんで瑞希を連れてきたん?」


「カンタンだよ、ギン。…でもまだ理由は話せないな」


「えー」


「時が来れば、というものだ」
























(やっぱ夢、か……)
(瑞希、髪に砂付いとるで?
お前砂遊びでもしとったんかい)
(!砂…?)




(瑞希、絶対いつか会って    やるぜ
そん頃には俺は……)






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