ローダンセを貴方に

□弐幕
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「やっと撒けたね!」

「そうみたいやな。てか追いかけてきとった時の顔、鬼みたいやなかった?」

「それ分かる!」





私たちは正直言わなくてもよくサボる

それを真子はいっつも超怖い顔が追いかけてくるんだけど、私たちは比較的霊圧を消すのだけは上手いからいつも簡単に撒ける
(たまにあの顔がみたいからサボるときもあるんだけどね)





「おばちゃん!いつもの餡蜜ちょうだい!」

「ほなボクは善哉!」

「またサボったのかい?」

「あはは」

「仕方ない子たちだねぇ」





サボったらいつもこの甘味屋に来るからいつのまにか常連てやつになってた

店のおばちゃんも優しいし、甘味も美味しいからお気に入り





「いつも通り団子、包んどくかい?」

「うーん…、じゃあ頼もっかな!」

「いつも思とってんけど、それいっつもどうしてるん?」

「ないしょー」

「瑞希のけち!」





それからおばちゃんが運んできてくれた甘味を食べて、のほほんとしてると、すぐ後ろによく知った霊圧が現れた

今絶対顔が青ざめてると思う

背中に冷や汗もこの一瞬でだらだら

隣のギンと静かに顔を見合わせた

ギンの顔も真っ青だ

私たちは頷きあうと同時に立ち上がって走った。…いや走りだそうとした

スゴい力で後ろから首もとを掴まれて進めなかった





「ぐえっ、」「うぷっ!」

「お前らまたサボリか?」

「……サボリじゃないよ、拳西!」

「ほォう?」





そこには私たちの予想通り拳西がいた

拳西はそういうところ厳しいから、もし私たちがサボってたりなんかしたら即効拳骨される

普通に好きだけど、今だけは逢いたくないタイプ





「これ見てみろ」

「伝令神機?」

「おぉ、そうだ」

「えー…、《アイツ等がまた逃げよった。見つけ次第平子へ》
…ボクら指名手配犯みたいやん!!」

「あ、地味に一斉送信してんじゃん!!?」

「…そういうことだからな」

「!」





ちょっと力が緩んだ隙に私は抜け出す

ギンは失敗したみたいだ

可哀想に






「コラ瑞希!!逃げんな!!」

「すみません、これから行くところあるんで帰れません!」

「見捨てんの?!」「はァ?!」

「じゃあさよなら!」




私はおばちゃんが置いといてくれた団子を取って、代金を置く

それから霊圧を即効消して、私の中で1番早い瞬歩で逃げる

…うん、生きて帰れよ我が友よ






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