大空少女。

□21話目
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「ちょ、もう1分きった!!」

「何をしているのだタコヘッド……」

「ぜってー来るって!」





隼人が来ない

1分きってるんだけど?

あの隼人が来ないわけないのは分かってる。……けど


もう5秒をきった時、後ろで気配がした

それと同時に何かが空を切る音

笑みがこぼれる

11時を指そうとした時計が爆発した





「お待たせしました10代目!獄寺隼人、いけます」


「獄寺君!!」
「タコヘッド!」
「隼人!」

「約束の時間に間に合いましたので、勝負への参加を認めます」

「よし!!」

「焦らせやがって!元気そーじゃーか、桃子みたいに寝坊か?」

「私みたいにってなんだ、私みたいにって」

「え、だってきの「うるさい!」ははっ」

「でっでもどうしたの、獄寺くん……?」

「遅れてすみません、10代目、桃子さん!いろいろ準備に手間取りまして」

「そーだったんだ…」

「……隼人、」

「なんすか、桃子さん?」

「ベルは強い」

「!」

「でも隼人も強い、信じてる。でも無茶だけはしないで?またゲーセンに連れて行ってよ!」

「!!もちろんっす!!!」





それから今夜のフィールドの説明がドッペルゲンガーから始まった


簡単に言うと、すごい風を起こす機械がたくさんあって、試合開始から15分までに勝負がつかないとそれが順番に爆発していく

デスマッチってやつ

あぁXANXUS兄さんの考え方が予想通りすぎて笑えてくるし泣きそうになる





「なんてことを…………」

「デスマッチかよ、おもしれーじゃねーか」


「なんだ?今のガラスの音は。けが人はいねーか?」


「なっ、」




 ゴッ




「のへー!!」





いきなり声が聞こえたと思ったらドッペルゲンガーの胸を揉みながらシャマル登場

ドッペルゲンガーの見えないくらい早かった肘アタックでシャマルは軽く吹っ飛んだ

あ、ドッペルゲンガーにも一応恥って心はあるんだね

私は呆れながら倒れ込んだシャマルに腕を差し出す





「来て早々なにしてんの」

「お、桃子じゃねーか」

「………なに触ろうとしてん、だ!!!!!」

「ぐふっ!!」

「あ、」

「ナイス回し蹴り、桃子!」

「人がせっかく手を貸そうとしてあげたのに。死ね死んじゃえ」

「今までの中で一番の蹴りだったわ、さすが桃子だ」

「嬉しくない!!」





私が手を差し出したら、掴もうとした反対の手が私のお尻に伸びたから回し蹴り

シャマルが壁にめり込んだ

ヴァリアーの方から驚いた声とか同情するような声とかいろんな声が聞こえたのはきっと気のせい





「だっ大丈夫ぅ……?」

「………ああ大丈夫だ」

「こんなことするなんて桃子さん酷いですねぇ」

「ありゃあいつものことだ」





いきなり私をはねのけながら桃崎がシャマルに駆け寄った

あー、走り方気持ち悪い

なんか勝ち誇った笑み浮かべてるけどなんで?

シャマルにはいっつもこれだし


酷い?

でなきゃこの世界で生きていけないよ

あとシャマルはこれくらいで怒んないことくらい知ってる





「…嬢ちゃん、俺あんたに興味ねーんだわ。俺が好きなのは身体も心も綺麗な子。…あ、身体はき「よし黙れ」…ひー、桃子はこえーなあ」

「な"っ、綺羅が綺麗じゃないって言ってるのぉ……?!」

「そう言ったつもりなんだけどな。ほら、喪服連中んとこ帰んな」

「覚えてなさい!!」





モデルを意識してる歩き方かは知らないけど、とりあえず気持ち悪い悪い歩き方で帰っていった桃崎

ほら、スク兄さんたちもあからさま嫌そうな顔しない





「よし、それでは勝負前にいつものいくぞ!!」

「なあ!!?ちょっ、いらねーよ!んな恥ずかしーもん!!!」

「え、やろうよ隼人」

「桃子さん!?」

「やっやんない、獄寺君……?」

「10代目まで?!」

「な、なんていうかさ、上手く言えないけど、この勝負はみんな繋がってるっていうか………、誰一人欠けてほしくないからしっかり団結したほうがいいっていうか…」

「それになんか仲間って気がするじゃん!味わったことない青春を私に味あわせてよね!」

「10代目、桃子さん………!ッ自分わかってませんでした!!やりましょう、やらせてください!!!」

「う、うん……!」

「じゃあこれも入れてあげよう」

「?なんだよこれ」

「それは昨日の戦いでちょん切れたアホ牛のしっぽの布だ」

「リボーンさんがくれたから、折角だし!」

「それを見ると思い出すなあ、アホ牛の在りし日の姿を」

「死んじゃったみたいに言うなよ!!」

「ランボ…………ッ!!」

「はい桃子も泣き真似しない!!!」

「でもいいと思うぜ」

「ま、アホ牛とはいえ何もないよりはちったあ心強いっすしね」

「みんな……、そうだね!」

「じゃあよし、いくぜ!」

「獄寺ッ、ファイッ」

「「「「オーッ!!!!!!」」」」




































手と手を取り合って

(青春ってこんな感じなのかな)













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