大空少女。

□17話目
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 ベルSIDE





 バタッ




桃子が倒れたことを認識する前に、もう身体が動き出してた

雨に打たれる桃子を抱き起こせば、とても熱い

俺は着てたレインコートを脱いで桃子を包んでやる

あぁ雨が冷てー


そしたら桃崎が絡んできた

とりあえず殺したい

ナイフに手を掛けようとしたけど、それしたらボスに殺されそうだから渋々手を止める

その代わり口なら許してくれんだろ





「そっそんなコト言っていいと思ってるのぉ…?!綺羅しかヴァリアーの吹雪の幹部はいないのよぉ??!綺羅がいなくなったら……!!」

「いい加減黙ってくんない?お前いなくても桃子を奪って吹雪の守護者にするだけだし、バッカじゃねーの」

「っXANXUSに言いつけてやるんだからぁ…!!」

「そんでそのまま殺されろ」





てかボスがお前のためなんかに動くかよ


そう言えば桃崎は屋上を飛び出してった

あー、後ろ姿までキモイって相当だな


そしたらスクアーロが連絡終わったらしくてこっちに歩いてきた





「ベル!!ここじゃ雨も降ってるから下に待機してるぜぇ!!!」

「りょうかい」

「!!待て!!」





俺が桃子を抱き上げれば後ろから声がした

振り向けば桃子の弟の沢田綱吉





「姉ちゃんは俺たちが医者まで連れて行く、お前達には任せられない」

「この時間ならどの病院も開いてねーと思うけどどーすんの?ボンゴレの医者だって今から呼んだら時間かかる。今は桃子が最優先なんだよ、お前らガキの変なプライドなんて邪魔なだけなんだよ」

「な"っ…………、」

「桃子はヴァリアー専属の最高医が診てくれる。…ボス、許可ちょーだい」

「…好きにしやがれ」

「ししっ♪じゃーな」

「!あっ!!」





まだ止める声も聞かずにスクアーロと屋上を出る

ポタポタ髪から落ちる雫が服にまた染み込んで身体が冷えてく


ここで横からの視線を感じてそっち見ればスクアーロが驚きながらこっち見てた





「なに?」

「いっいや、お前がお前以外をそんな風に扱うなんて初めて見るぞぉ……。てか桃子とそんなに仲良かったか?」

「……分かんねー、俺も無意識。気ぃついたら走ってたし、つか王子が聞きたいわ」

「…………お前もそんな顔できるんだな」

「は?」

「いや、なんでもねぇ……」

「あ?!教えろよ、バカ鮫!!!!?」

「あ"ぁ??!」



































王子様

((王子、一体どんな顔してたわけ?))







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