大空少女。
□17話目
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ツナSIDE
バタッ
「「「!姉ちゃん/桃子/さん!!!!!!」
XANXUSの攻撃から俺を庇ってくれた姉ちゃんが目の前で倒れた
一瞬頭が真っ白になる
俺が駆け寄ろうと動こうとするその前に、"金色"が姉ちゃんに駆け寄ってた
「スッゲー熱じゃん…!!」
「ベル、フェゴール………?」
ヴァリアーのベルフェゴールだった
ベルフェゴールが倒れてる姉ちゃんを抱き起こして自分が着てた黒いレインコートを姉ちゃんくるむみたいに包みこむ
たしかに顔も赤いし息が荒い
「スクアーロ、医者呼べ!!!」
「おっ、お"ぉ…!」
「ちょっとベルぅ、なんで敵なんか助けてるのよぉ…!!?」
「あ?」
「そんなの放っとけばいいじゃない!そうすれば綺羅だって闘わなくて済むかもしれないし!!綺羅が傷つくのは見たくないでしょお……?」
「……お前何言ってんの?頭大丈夫?」
「べっベルぅ…?」
「お前みたいな奴が王子の名前呼ぶなんて、極刑に値するぜ。まぁ王子が手を下す価値もねーけど。てか傷つくのが見たくねー?たしかにお前の血見たら不快極まりねーわ、とりあえず死ね」
「なっ、」
……まず、なんだこの修羅場は
俺の目の前でやめてくれ
てか姉ちゃんだけ置いて余所でやれよ
その前に桃崎って奴、なに?
闘わなくて済むかもしれない?
姉ちゃんは高熱でもお前なんか片腕で殺せる
(超直感か、妙に確信)
てか姉ちゃんがお前のせいで穢れなくて済むから先に自殺かなんかしてくれないかな、10円あげるから
「……じゅっ、十代目…?」
「ぅわっ!」
「十代目?!」
「いやごめん…、急に隣にいたからさ……」
「ぁ、すみません。十代目が怖い顔されてましたんで……」
「……なんにもないよ、獄寺くん」
あ、そういえば昔誰かに、俺は姉ちゃんのコトになると変わるって言われたっけ
俺、きっとすんごい笑顔なんだろうな
だって雨でも分かるくらい獄寺くんの顔が真っ青なんだもん
「ベル!!ここじゃ雨も降ってるから下に待機してるぜぇ!!!」
「りょうかい」
「!!待て!!」
いつのまにか言い争いが終わったのか、桃崎が屋上から出て行ったところだった
電話を片手にスクアーロがこちらに歩いてきて、電話の内容をベルフェゴールに伝えたみたいだ
それを聞いたベルフェゴールが姉ちゃんを横抱きして立ち上がる
俺が慌てて呼び止めれば明らか不機嫌な顔して振り向かれた
……いや待て待て
「姉ちゃんは俺たちが医者まで連れて行く、お前達には任せられない」
「この時間ならどの病院も開いてねーと思うけどどーすんの?ボンゴレの医者だって今から呼んだら時間かかる。今は桃子が最優先なんだよ、お前らガキの変なプライドなんて邪魔なだけなんだよ」
「な"っ…………、」
「桃子はヴァリアー専属の最高医が診てくれる。…ボス、許可ちょーだい」
「…好きにしやがれ」
「ししっ♪じゃーな」
「!あっ!!」
そう言うとヴァリアーは去っていった
姉ちゃんは昔から無意識に人をオトす
それも、1人じゃ上がってこれないような深い深い場所まで
スクアーロとXANXUSとは知り合いなのは知ってたけど、ベルフェゴールとは初耳
まさか昨日だけで?
……俺の姉ちゃんながら恐ろしい
姉ちゃんが倒れた時、目立って動いたのはベルフェゴールだけだったけど、スクアーロもXANXUSもヴァリアーの浮いてる赤ん坊もこっちのボンゴレも少なからずは動こうとしてた
獄寺くんと山本はベルフェゴールが行ってなかったら確実に姉ちゃんとこ行ってた
リボーンも通信機片手だったし
スクアーロもベルフェゴールの後ろからおろおろしながら見守ってた
絶対駆け寄るタイミング逃しただろ
XANXUSは俺を姉ちゃんが庇った時からおかしかった
遠目だから確信はないけど、目を軽く見開いて腕を震えさせてた
倒れた瞬間には明らか伸ばそうとした手を慌てて引っ込めてたしね
これを一瞬で見れるって、やっぱり俺スゴい?
うん知ってるから
ブラッド・オブ・ボンゴレ、最高
「……ツナ、桃子が心配なのは分かるが今はランボだ。それにスクアーロがいるんだ、桃子は大丈夫だ」
どうやら俺の家庭教師様は俺が姉ちゃんが心配で考え込んでると思ったらしい
俺そんなに深刻そうな顔してたのかな?
……いやたしかに深刻だけどさ
でもたしかに心配だけどそれ以上に腹立たしいよね
姉ちゃんは俺のなのに
昔からずっとずっと
それはこれからも変わらないのに
残念、家庭教師様
ちょっとだけハズレ
てかランボ、そういや重体じゃん
姉ちゃんに気を取られすぎて思いっきり忘れてた
俺失格覚悟で助けたんじゃん
(さっき尻餅ついたときいつのまにかリング取られてたし)
「そう、だね…!!」
俺、いつからこんなに黒くなったんだろう