大空少女。

□10話目
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ある日、ある家に、ある双子が生まれました


それは男の子と女の子でした


お父さんやお母さんはもちろん、
お父さんの知り合いたちもたいそう喜び、とても可愛がりました


そしてそれと同時に、
跡継ぎ候補が2人もできたと喜びました


男の子と女の子の笑顔はいつもとても輝いていました


その笑顔を見た大人たちもまた笑顔になりました



姉である女の子はとても優しく、とてもしっかりしていました


そして少し大きくなると自分が跡継ぎ候補だと知り
跡継ぎになるんだと、その日から勉学、武術などいろいろなものに励みました



しかし月日がたったある日、お父さんの知り合いたちは気づきました


女の子には跡継ぎに必要な波動が流れていないことに

そしてこの世にはとても珍しい波動が流れていることに


自分は跡継ぎになれない


そして自分は一生人に仕えなければいけないと知った女の子はとても悲しみ、怒り狂いました


私の今までの努力を返せ、私は生まれてこなければよかったんだ、と泣き叫びました



周りの人たちは悲しみ、同情しました


しかし女の子は同情なんかいらないと、
反対に心を閉ざしてしまいました



そしてまた少し年月がたったある日、
女の子のところにある老人が訪ねてきました


女の子は心を閉ざしたままで、その老人を当たり前の如く拒みました


しかしその老人は折れることなく、毎日毎日その女の子のもとを訪ねてきました


初めは拒み続けていた女の子も、そんな老人を見ているうちにだんだん老人には心を開くようになっていきました



そんな時、老人は言いました


私のもとで働いてみないか?

跡継ぎにはなれないが、人に認めてもらうことはできる

強くなりたくないか?


女の子は泣きました


あの日から泣いたことがなかった女の子はただ泣きました


悔しかった

強くなりたい

老人に抱きしめられながら喉が枯れるまで泣き続けました



老人はその時、
女の子に信頼の証として赤いピアスをあげました


次の日
女の子の家に女の子はいませんでした



跡継ぎ候補の弟にはとお母さんには旅行と称して、強くなるためにお父さんと旅に出たのです


女の子は強くなりました


みんなに認めてもらうために

自分が仕えていても主人を恥じさせないために


老人のおかげで女の子は昔のように明るくなりました








けれども女の子は捕らわれてしまったのです




"忠誠"、"闇"に








女の子は見失ってしまったのです




"愛"、"希望"、"自分の存在意味"を







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