大空少女。

□7話目
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『アイツらが本日の夜頃日本に到着するようです!』

「もう来ちゃうのか。ありがとう!また何かあったら連絡お願いね?」

『はっ!』





通信を切る

いま私は家の屋根の上にた

イタリアにいる部下からヴァリアーが既に本部を発ったって報告があった

さすが兄さん、もうフェイクだってバレたのか

きっとスクアーロはまたなにか投げられたんだろうなあ





「…この指輪をはめるときがもうきちゃったのか」




私はポケットに入ってる指輪を取り出す

炎を半分に切ったような指輪

その中心には雪の結晶が描かれている




「吹雪のハーフボンゴレリング……」




私がおじいちゃんに忠誠を誓ったとき、おじいちゃんからもらった


『これを付けるときには、わたしへの忠誠など忘れ、10代目に尽くしなさい』


悲しそうに、苦しそうに笑いながらおじいちゃんは私に手渡したのを今でも覚えてる


私の任務は10代目の吹雪の守護者となり、ボスと守護者たちを守護すること

この任務はきっと私が生まれたときから決まってたと思う

やっとこの時がきたんだ

私はもう暮れかかっている空に指輪をかざしてみる

すると怖いぐらい輝いていて、それでいて恐ろしいぐらい綺麗で、思わず目をふさぎたくなる

けれども私は指輪から目を逸らさずこれから起こるであろう事を考える


味方も敵もたくさん怪我するだろう

味方も敵もたくさん傷つくだろう

そして私はその時みんなを救えるだろうか

誰一人大切なものを失わず、皆が笑顔で終われる、なんていう夢物語は考えてない

…けどそれを目指すぐらいいいよね


考えながらも私は指輪ははめる

指輪は妙にシックリくるからちょっとビックリした

ふと辺りを見回すと、考えすぎたみたいで真っ暗だった





「…………よしっ!!」





私は深呼吸してこれからツナたちに、私のことを話す決心をする

もう今までの関係には戻れないかもしれない

けどツナたちにこれ以上ウソはつきたくないんだ

私はもう一度指輪を見つめて立ち上がり、そのまま夜の闇に消えた






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