大空少女。

□6話目
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「よう恭弥」





あれから、ディーノに連れてこられたのは、たしかツナが通ってる中学の屋上

ディーノの前にはトンファーを持った男の子が立ってる

たぶん、報告にあった風紀委員の雲雀恭弥くん

ディーノすごく嫌われてそうなんだけど





「今日は戦う前に指輪の話をしてぇ」

「いいよ、興味ないから。アナタをグチャグチャにすること以外」





ちなみに私は給水塔の上で、物理的にも高みの見物

見るからにオドオドとするディーノに、ついクスリと笑ってしまう





「これはたしかに手がかかりそう」

「なんだいキミは?」





私の独り言のように呟きを、雲雀くんは聞きとったらしい

鋭い目線が私に向く

短かった高みの見物を惜しみながら給水塔から飛び降りた

手に持ったトンファーが鈍く光る





「私はディーノの同僚だよー」

「へぇ…。もちろん戦えるんだろう?」

「戦えるけど弱いからオススメはしないかな」





ディーノが『ウソだろ』みたいな目線を向けてくるけど、私は知らない

これでもスクアーロのこと結構傷ついてるんだからね





「そんなの僕が決めるんだよ」

「うぎゃっ!」





そう言いながら雲雀くんはトンファーで殴りかかってきた

思わず数歩下がりながらトンファーを振りかざした方の手首を捕まえる

見た目より筋肉がついてしっかりしてるなあ

スピードは中の上かな





「!ワォ、僕の攻撃避けるなんてね」

「危ないなあ!」

「僕、君を咬み殺すことにしたよ」

「全力で遠慮させていただきます」





すごく悪い予感がしてトンファーから手を離す

ここにはただ手伝いだけで来たんだからね!!

心の中で、ひとりツンデレみたく叫んでみる

当たり前だけど誰にも届かない


そんな私を見た雲雀くんは怪しく口角を上げながらポケットの中からあるものを取り出す




「してくれないとこの指輪捨てるよ?大切なんでしょ?」

「?」




雲雀くんの指先には光るもの

指、輪…?

…あれボンゴレリングじゃない?




「いいのかい?」





そう言いながら、振りかぶって投げようとする雲雀くん

ボンゴレに忠誠を誓った私にとって、これお願いじゃなくてただの脅迫だ

コンマ2秒で腰からフルーレを引き抜く

楽しそうに雲雀くんは笑った





「っやればいいんでしょ!!やるって決まったらからにはぶっとばすよ」

「そうこなくっちゃね」





普通ここはディーノじゃないの?

そう思ってディーノを見れば、親指だけ立て、無駄に爽やかな笑顔でこっちを見てた

私を売ったな




「これだけは約束!終わったらディーノの話を聞いてね!」

「考えといてあげるよ…!!」





セリフの途中に攻撃してくるのやめてくれないかな







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