大空少女。
□2話目
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あれから、空港に着いた私は数年前の記憶を頼りに我が家へと向かった
もちろん徒歩だからね?
父さんの部下さんが送るって言ってくれたけど忙しいだろうから断った
結果は大成功で、目の前には懐かしい我が家がある
うん、頑張ったぞ私
何も変わってない我が家
あの日、あの頃と全く変わらない
逆に変わってなさすぎて笑えてくるくらい
鍵をだそうとしてポーチをごそごそと漁ってると、背後から殺気を感じてその場から飛び退く
すると今まで私がいた場所で爆発が起きてた
危ないなあ
投げであろう人物の方を向くと、そこには銀髪くんがいた
口にはタバコ、指の間にはたくさんのダイナマイト
スモーキン・ボム
私の頭にある1つの名前が浮かんだ
そういやツナの守護者に入ったって報告きてたっけ
「てめェ誰だ!!」
「さぁ誰でしょーか」
ちょっとテストしてあげるか
「果てろ!!!」
またスモーキンくんが大量のダイナマイトを投げる
投げるしか能がないのか
私は大丈夫だけど、これ以上住宅街で爆発起こすわけにもいかない
面倒臭いなあ
私は腰に挿していた愛用のフルーレを1本抜き、ダイナマイトと導線のギリギリを切っていく
スモーキンくんは目を見開いてるけど気にしない
そして最後の1本を切り終えた私はフルーレを仕舞って、スモーキンくんの目の前に立つ
「!」
「いくら主人のためでも周りに迷惑をかける行動は良くない。それに盲目的じゃあだめだ、もし私が敵じゃなくて上層部の奴らだったら、評価が下がるのは君じゃなくてボスだよ。良いところはその忠誠心くらい。大目に見ても15点かな」
「!お前まさか「獄寺くん!!」10代目!?」
10代目?
声がした方を振り向く
「いきなり走り出したかと思えば、っはあ、どっどうしたの?!」
「びっくりしたぜ、ははっ」
「来ないでください10代目!!」
「え?」
「ツナーッ!!」
「うわっ!!」
「「!?」」
私と同じ髪、瞳の色
私が間違える筈ない
気が付いたら私は抱きついていた
近くにいたスモーキンくんと黒髪くんなんて気にしない
「え、え?!」
「数年会わないうちに忘れちゃったの?私だよ、ツナ!」
「………もしかして桃子?」
「そうだよ!私はすぐ分かったのに!!」
「桃子がなんでここに?!」
思い出してくれた事はたしかに嬉しい
けどさ、
「我が家に帰ってきて何が悪い!」
「我が家?!」
この一言にはスモーキンくんが反応した
これでもかっていうぐらい大声出して
「急に出てったと思ったら、今まで何年も手紙しか送ってこなかったんだから仕方ないだろ!……獄寺くん、山本、紹介するよ。俺の双子の姉ちゃんの桃子」
「よろしくー!」
「な"っ」
「ツナの姉貴か〜」
黒髪くんは楽しそうに笑ってるけど、それとは正反対にスモーキンくんの顔はすごい勢いで青ざめていく
私が首をかしげてると、スモーキンくんの身体が直角に折れ曲がった
「お?」
「すみません、アナタが10代目の姉君だとは知らず…!!先程の暴言、醜態をお許しください!!!!!」
忠犬って言葉が合うなあ
姉として弟がこんなに慕われてるのはやっぱり嬉しい
ちょーっと盲信的すぎる気もするけど
「獄寺くん、だっけ?気にしないで!キミの行動は部下として正しいよ、ただちょっと先走りすぎただけ。次からはもうちょっと冷静に、ね?」
「桃子さん…!!!ありがとうございます!!!!!!」
「なに?!さっきの間に何があったわけ??!!」
「気にしない気にしない!ほら、土産話も聞かせたいし家入ろ?飛行機で疲れてるんだ、これでも」
「自由なところは変わってないなあ!」
私がツナの背中を押して無理矢理玄関に入れようとしていると、後ろから2つの視線を感じた
スモーキンくんと黒髪くん
入っていいのか迷ってるみたい
そんなの気にしなくていいのに
「ほら2人も!鍵閉めちゃうよ?」
「!あっはい!!」
「!おぉ!」