D家の妹さん

□8章目
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「…」




ミナトから別れて、さきは立ち尽くしていた

理由は簡単

玄関に結構な数の靴があったからだ




「(兄さんとあの仲間たちしか思いつかねぇ…!)」




さきは嫌な予感しかしなかった

頭を左右に思いっきり振り、静かにリビングへ向かう

少し顔を覗かせてみれば、1番見たくなかった光景が広がっていた




「おいデイダラ!妹ちゃんはまだかよ?!」

「早く帰れよ、うん!!」

「デイダラ、俺はいいよな?」

「旦那はなに『当たり前だ』みたいな顔してんだ、うん?!」



「……」




さきは見なかったことにしようと、静かに顔を引っ込めようとした瞬間だった

イタチと目が合ったのだ




「「…」」




しばらく無言で見つめ合った

しかし先にイタチが視線を外した

…いや視線を外したと言うより、顔を真っ赤にさせながら鼻血を吹き出し、後ろに倒れた




「ぐはっ!!」

「「イタチ!?」」




皆がイタチの元に駆け寄る

さきも無意識にイタチの元に駆けつけていた




「ちょっ、大丈夫ですか、イタチさん!?」




そしてさきを見たデイダラたちは驚く




「さき!?帰ってたのか、うん?!」

「あっ、うん今さっき…」

「なら絶対さきんせいだろーが」

「なんで私?!」




サソリが出した結論に、さきは反論する




「お前、どうせ俺たちの事見てたんだろ?どんな感じにだ?」

「ぇ普通にこうやって……」




さきはさっきと同じようにやってみる

するとサソリたちは一斉に顔を赤くなった




「?」




さきは分かっていないが、覗くために首を傾げる+さきは小柄なため必然的に上目遣いになっているのである

普通に可愛いのだ

イタチが鼻血を出すぐらいである




「「((この子ならテクなしで男全員落とせる…!!))」」




その場にいたさき以外は全員思った




「アンタがさきちゃんか!!俺は飛段だ!よろしくな!」

「俺は角都だ、よろしく」

「わたしは鬼鮫です。よろしくお願いしますね」


「私は小南。よろしくね?」

「俺は暁リーダー、ペインだ!」

「アナタたちの名前なら兄さんから聞いてます
てか何で家にいるんですか?」

「いきなり本題だな、ゲハハハ!!」

「言いたいことは遠慮なしに言っちゃうタイプなんで、」

「ただ単にヒマだったからだぜ」

「ヒマだったからって何でうちなんですか?!」

「ちょうどデイダラの妹が見てみたかってな。ついでだ」

「私は動物園の動物ですか。見物料もらいますよ?」

「角都みてェなこと言うなよ、さきちゃん!!」

「…はぁ。兄さん、私晩御飯作ってくるね?」

「頼むぞ、うん!!」




さきが呆れ、スーパーの袋を持ちキッチンに行こうとした

しかし誰かの手によって止められる




「…なんでしょうか、サソリ先輩?」

「俺も腹が減った」

「私に関係ありません」

「さきの飯が食いてェ」

「俺も食いてェな!!」

「私も食べてみたいわね」

「俺も食べてみたいぞ!」

「小南さんだけいいですよ。てかイタチさんはいつの間に復活したんですか?」

「さきの飯って所からだ」

「おい、何で小南だけなんだよ!!」




さきの発言に、小南とデイダラ以外が思わずブーイングする
(角都と鬼鮫は元々参加していなかったので、実質サソリと飛段とペインだけだ)




「え?小南さんは悪い人に見えませんから」

「俺も十分悪い人に見えねぇだろーが」

「アンタが1番私の中で危ないんだよ!」

「は、何言っていやがる」




さきは真顔で言ってきたサソリを一刀両断にし、キッチンに歩いていく




「なら私も手伝うわ」

「いっ、いいんですか小南さん?!」




さきの両手に持っていたスーパーの袋を1つ持ち、さきに少し微笑みかける小南




「その代わり、あの人たちにも作ってあげてくれないかしら?きっとあの人たち、アナタが作ってあげなかったら未来永劫まで言いそうで…」

「ぁ〜…、確かにそうですね…」




さきは想像し、苦笑気味にその意見に同意する




「ごめんなさいね、厚かましい事言ってしまって…」

「いえ、気にしないでください!反対に手伝っていただいて嬉しいです!」

「…話は変わるけれど、あのファミレスで働いてたのってさきちゃんよね?」

「え!?」




さきは袋から出した玉ねぎを慌てて落としそうになる




「秘密にしているんでしょう?デイダラには言わないから気にしないでいいわよ」

「…たしかに私ですね。でも何でそれを…?」

「私とペインが、ちょっと前にあの店に行ったの。そしたらペインが『あそこに金髪の可愛い子が!』って叫びだして……」

「たしかにそんな人がいた気がしますね……。ってことはまさか兄さんたちにあの店教えたのって…!?」

「えぇペインね」

「おかげで私はどんだけ大変な目にあったか…!!」




さきは、あの日の事を思い出してたのか、刻んでいた玉ねぎを、包丁でめった刺しにしてしまっている

そんなさきを小南は慌てて止めた




「ぁ、ごめんなさい…」

「いいのよ。あれはペインが悪いわ」

「ですよねー!!」




めった刺しにしてしまった玉ねぎを頑張って刻みながら、小南の言葉を返す

小南はそんな姿を見ながら、少し頬を緩めた




「…さきが妹のような感じがするわ」

「小南さんならお姉さん、大歓迎ですよ!!」

「ふふ、ありがとう」









We are sister

(おぉ、ハンバーグだ…!!)
(ではさっそく……む、何故か辛いぞ…?……ぐふっ、ちょっ水!!唇が燃える!!なんだこれは!?)
((お返しだコノヤロー))





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