D家の妹さん

□7章目
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「はぁ…、」




さきは今近くのスーパーに来ていた

なぜスーパーにいるのかを知るには数十分前に戻らなければならない




今日はバイトがなく、すぐ家に帰ればもう家にはデイダラがいた

するとデイダラがこんな事を言い出したのだ




「さき!今日の晩飯は何だ、うん?」

「今日は昨日の残りのカレーがあるから、それを使ってカレーうどんにでもするつもりだけど…」

「オイラはハンバーグが食いたいんだ、うん!」

「…は?」

「帰りにハンバーグ食いたいなって急に思ったんだぞ、うん!!」

「お前は幼稚園児か」




さきが即答却下すると、だだをこね出すデイダラ

最初はさきもシカトしていたのだが、だんだんウザくなってきてとうとうさきが折れたのだ




「…はぁ、今日だけだからね?」

「マジか?!さきマジでありがとうな、うん!」

「はーい。じゃあ材料足りないからスーパー行ってくる」

「オイラが行くぞ、うん?!」

「兄さんに頼んだらお菓子しか買ってこなさそうだからイヤ。じゃあ行ってきまーす」


こんな感じで冒頭に戻る

どちらが年上か分からなくなるような会話である

しかしさきもなんだかんだ言ってデイダラには甘いのだ




「たしか玉ねぎはまだあったから…」

「やぁさきちゃん」




さきに、ある男が話し掛けた

急に話し掛けられ驚いた様だが、その人物はさきが見知った人物だった




「ミっ、ミナトさん!!」




そう、ナルトの父親、ミナトだったのだ

ミナトとはナルトの家に遊びに行った時に何度か会っており顔見知りだった




「あっ、覚えてくれてたんだ?てっきり忘れられてるかと思ってたよ」

「それはこっちのセリフですよ!何度かお会いしただけだったので…、覚えてくださっていて感激です!」

「はは、さきちゃんみたいな可愛い子、簡単に忘れられないよ」

「ミミ、ミナトさんっ!///」



男に免疫があるさきでも、ミナトに笑顔でそんな事を言われれば、さすがに照れるようだ




それからさきたちは話しながら一緒にスーパーを回っていた




「そういえばミナトさんは何故スーパーに?」

「いやね、クシナに頼まれて…」




そう言って遠い目をするミナトさんに、さきは静かに合掌する




「…そういえば最近、全然家に来ないね」

「たしかに、行ってませんね…」

「ボク、てっきりナルトと喧嘩したのかと思ったよ」

「いやっ、ナルト…いやナルトくんにはいつもお世話に…!!」

「ナルトでいいよ。てかそんなに他人行儀で話されるとボクもちょっと傷つくんだけどな…」

「ミナトさんにタメ口をきくなんて滅相もございません!!」

「はは、」




ミナトは苦笑する

ミナトに敬語を使うのであらばカカシにも使ってあげてほしい限りである




「…まぁいいや。ナルトから聞いてるよ?さきちゃんにはお世話ばっかかけてるって」

「いやっ、先程も言った通り私が…!!」

「これからもナルトをよろしくね、さきちゃん?」

「!はっ、はい!」

「…さきちゃんみたいな子がナルトのお嫁さんになってくれればいいのにね、」

「は?!//」

「ナルトが嫌ならボクなんかどう?」




笑顔で自分を指差すミナトに、さきはスゴい勢いで顔が赤くなっていく




「ミミミナトさんには、クシナさんがいるじゃっ…!!//」

「冗談だよ!」




反論しようとするさきの頭を、ミナトは優しく叩く




「分かってますよ!//」

「(本気も混ざってるんだけどな…)」

「…あっ、もうこんな時間!!じゃあ私はそろそろ失礼します、ミナトさん!!」

「ぁうん、分かった。また遊びにおいでよ、クシナも待ってるし」

「はい!ではさようなら!」

「さようなら」




ご丁寧に頭まで下げていくさきに、ミナトはまた苦笑気味で手を振る

そしてさきがレジまで走っていくのを見ながら自分もレジへと向かいだした







尊敬するのは、

(そういえばなんでボク、あんなに緊張されてるの?)
((うわぁぁー!//一世代前、この辺り一帯の不良を粛正していた喧嘩番長にさようならって言ってもらえた!//))




 

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