D家の妹さん
□3章目
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キーンコーンカーンコーン
「じゃあこれで4時限目は終了。宿題はきちんとやってくるのよ?じゃあ、礼!」
「「ありがとうございましたー」」
国語の紅先生が教室を出て行き長かった午前中の授業がやっと終わった
肩を回したり、すぐに弁当を用意している者もいて各々自分のやりたいことをやっているようだ
さきはといえば、机に覆い被さるようにして座っていた
久しぶりに1時限ぶっ通しで授業を受けて疲れたのだろう
1時限ぐらい普通なのだが、いつもサボっていて授業を受けていないさきにとっては辛すぎるのだ
ほかにも3時限目の先生がガイ先生であったため寝ることができなかったことが重なり、結果さきの集中力は途中で切れてしまい紅先生のお叱りをうけたわけだ
さきは話しかけてほしくないオーラを醸し出していたため、大抵のクラスメートは苦笑しながら見守っていた
しかしそのオーラが見えなかったのか、はたまた気づいているのかは知らないが約1名の男子がさきの耳元で大声で叫び、あろうことかさきを揺さぶり始めた
「なぁさき!!起きろってばよ!!勉強教えてくれよー!!」
それはナルトだった
周りの皆は真っ青になる
さきはこういう時に起こされるのが1番嫌いなのである
それを見たクラスメートの大半は被害が自分に来ないよう、そそくさと弁当を片手に姿を消していった
そんなクラスメートにも気づかないのか、ナルトはまださきを揺らし続ける
「なぁー、さき!!」
そして怒りがピークに達したのか、さきは勢い良く起き上がりナルトの胸ぐらを掴む
「るせーんだよ、こっちは授業疲れて寝てんのにそれを起こすたァどういう事だ、あ"ぁん?」
…人が変わりすぎである
眉間に皺をよせ、胸ぐらを掴んでいるナルトを鬼のような顔で睨んでいる
さすがのナルトでさえ、ひっと声をあげている程だ
そんな時、ナルトが勢い良く吹っ飛んだ
その吹っ飛んだ原因がわかっているのかさきは、ニヤッと口角を上げ壁にめり込んでいるナルトを見ながら「ざまーみやがれ」なんて呟いている
ナルトも原因が分かっているらしくすぐにめり込んだ壁から出てきて、自分の真っ正面にいる者を指差して叫ぶ
「酷ぇってばよ、サクラちゃん!!!!」
そう、サクラだったのだ
ナルトが殴られた頬を抑えながらサクラに抗議の声をあげるがサクラは完全無視し、さきに駆け寄る
「さき、大丈夫だった…?!」
「それ言う相手が間違ってる、間違ってるってばよ!?」
「ありがと、サクラ。おかげで助かった」
「さきのためなら…!!」
「いやサクラちゃん女の子だろ!?」
「さきが相手なら私男でも…!」
「サクラちゃん?!」
…とまぁ、こんなバカなやりとりが続きさきが呆れていると、隣からふいにつつかれた
さきは違和感を感じ、つつかれた方を見てみるとそこにはサスケがいた
「どうしたの、サスケ?」
「いや…、勉強教えてくれないか?」
「サスケが分からない所?珍しいね。私で良ければ教えるよ」
サスケはさきと1,2を争う程頭が良く、サスケが分からない所など自分は分かるのか?なんて考えながらサスケの指差す教科書を覗き込む
すると案外簡単な問題で、さきは驚きつつサスケに分かりやすく説明していく
「この問題はここのxにこれを代入して…」
「ふむ、」
「あぁぁあーッ!!」
「「(ビクッ」」
サクラと言い争っていたナルトが急にさきたちを指差し、大声をあげる
さきたちは急な大声に肩を震わせた
「なっ、なんだよ…」
「何抜け駆けしてんだよ、サスケ!?」
「抜け駆けなんてしてない」
「抜け駆け…?」
「さきは気にしないでいいと思うぜ」
「ぁ、シカマル…」
ナルトの元に向かい空席になったサスケの席にいつの間にか座っていたシカマル
その側には、いのやチョウジが立っていた
「ねぇ何の抜け駆け?」
「だからお前は気にすんなって」
「教えなよー」
「却下だっつの」
「ちぇ、
…ねー、いのー」
「なに?」
「何の抜け駆けか…教えてくれない?」
いのがさき信者だと分かっているのか、さきはこれまでにないぐらい輝いている(いや真っ黒い)笑みでいのに問いかける
シカマルとチョウジも一瞬騙されそうになったが、さきの後ろに黒いものが見えたような気がして我に返る
しかしいのは、もうその笑顔の虜で目をハートにしながら話そうとしている
だが間一髪シカマルがいのを止める
そしてそこでやっといのも我に返る
「はっ、私…!!」
「あともうちょいだったのに…。
まぁいいや。私は屋上で弁当食べてくるわ」
「ん。春野とかには言っとくわ」
「せんきゅー、シカマル(ニカッ」
「お、おぉ…//」
そしてさきは振り向かずにヒラヒラと手を振り、教室を出て行く